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子供のSOS相談システム「キミノミカタ」熊本市立小中高で導入

 Guardian(ガーディアン)は2023年11月24日、児童や生徒のSOSコミュニケーション支援システム「kimino micata(キミノミカタ)」が、熊本市「こども相談事業」において導入が決まり本格展開を開始したと発表した。最大3か月無料キャンペーンも始める。

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児童のSOSコミュニケーション支援システム「kimino micata(キミノミカタ)」で「こども相談事業」参入
  • 児童のSOSコミュニケーション支援システム「kimino micata(キミノミカタ)」で「こども相談事業」参入
  • 「kimino micata(キミノミカタ)」アンケート画面一例
  • 「kimino micata(キミノミカタ)」教諭の使いやすさを追求した管理画面
  • 「kimino micata(キミノミカタ)」機能
  • アンケートはいじめや虐待を発見するもっとも効果的なツール
  • Guardian代表取締役、プーザー・ケイトリン・エリン氏

 Guardian(ガーディアン)は2023年11月24日、児童や生徒のSOSコミュニケーション支援システム「kimino micata(キミノミカタ)」が、熊本市「こども相談事業」において導入が決まり本格展開を開始したと発表した。最大3か月無料キャンペーンも始める。

 「キミノミカタ」は、児童が日々の生活に関するオンラインアンケートを通して、児童の個人情報を保護しながら、いじめや虐待、心の問題などを学校の養護教諭などに伝えやすくするSOSコミュニケーション支援システム。

 京都市に拠点を置くGuardian社が開発を手掛け、2020年度からは、熊本市立小中高校で実証実験や実装に向けた試験を展開。その取組みが熊本市に認められ2023年9月1日、両者は契約を締結、同市の「こども相談事業」に両者連携で取り組むことが決定した。現在は、熊本市立小中高校を対象に、環境整備期間を経て本格運用を開始している。

 同システムのアンケートは、学校や教育機関側が「毎日」「週1回」「月1回」の3パターンから事前に選択可能。子供たちは、インターネットに接続できれば、スマートフォンやタブレット端末、パソコンといった機器で回答できる。

 実施方法のポイントは2つ。1つ目は、学校内でアンケートに対応する「ミカタチーム」を編成し、そのうえで、養護教諭や教頭といった特定の教諭に通知する。特に子供の人権を守るため、本人の同意なく第三者に情報を明かす「アウティング」に関しては意識を高め、本人の了解を取ることをシステムに組み込んでいるという。2つ目は、帰宅後も含め、本人が安心して取り組めるときに回答してもらう点で、助けがほしいときにいつでも押せる「SOSそうだん」ボタンも装備している。

 アンケートの内容は、欧米で研究されてきた児童虐待などの指標・尺度を踏まえた設問と、日本でいじめアンケート用に使われている設問などを包括。実証実験で得た現場の声を踏まえ、日本の環境にあわせて調整。4つのレベル(小学校低学年、小学校中高学年、中学生、高校生)で言葉や表現を分け、日常生活に寄り添った設問が用意されている。

 Guardian社の代表取締役プーザー・ケイトリン・エリン氏は、英国キール大学(犯罪学学士・日本語専攻)で犯罪学を学んだ英国出身の女性。熊本市で外国語指導助手(ALT)に従事していた2019年に虐待死した栗原心愛(みあ)さんの事件を知ったことがきっかけとなり、今回のシステム開発に着手したと話す。プーザー氏は、「教諭の机の上にいじめ関連のアンケートが置かれ誰もが見える状態は英国では考えられない」と指摘。今回のプロジェクトを通じて、「子供たちが気軽に相談サービスにアクセスできるようになることを願う」とコメントを寄せている。

 同社の初年度(2023年度)の導入目標数は20校、2024年度は100校を目標にし、事業の全国展開を本格化。費用は、学校の場合、初期設定費用10万円、1人あたり月100円(いずれも税別)。2023年秋~2024年1月末までの申込みで、最大3か月利用料無料(2024年1月~3月末まで)となるキャンペーンもスタートする。

《川端珠紀》

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