日本英語検定協会は、2025年8月8日に統合報告書2025の第6弾として「データで見る英検 ~小・中・高校生の英語力向上の状況~ 中学生」を公開した。過去10年間で中学生の英検受験級が高校レベルへとシフトしていることが明らかになった。
中学卒業レベルに相当する3級の受験者は微減する一方で、準2級は10年前の約1.6倍、さらに上位の2級は約3.1倍に増加している。2024年度のデータでは、準2級受験者が27万3,130人、2級受験者が10万8,722人に達している。
文部科学省の「第4期教育振興基本計画」(令和5~9年度)は、中学卒業時にCEFR A1(3級相当)以上に達成する生徒を60%以上にする目標を掲げている。今回のデータは、その目標が教育現場に浸透し、中学生の英語力が底上げされていることを示しているという。
CEFRレベル別に見ると、A2(準2級相当)やB1(2級相当)に到達する生徒が着実に増加している。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能すべてで、レベルが向上し、特定技能に偏らないバランスの取れた能力向上が確認されている。
こうした中学校段階での伸長は、高校生の準1級・2級受験者の急増とも呼応しており、小・中・高を通じた英語教育改革の効果が、成果として着実に反映されつつあるという。