国立教育政策研究所は2025年7月31日より、全国学力・学習状況調査(以下、全国学力テスト)の結果を踏まえた「授業アイディア例」の2025年度(令和7年度)版を公開している。
国立教育政策研究所は2009年より、全国学力テストの調査結果を踏まえ、授業の改善・充実を図る際の参考となるよう、授業のアイディアの一例を示した「授業アイディア例」を作成し、全国の学校や教育委員会などに配布。2022年からは授業の改善・充実に資するよう、これまで別途作成していた「授業アイディア例」を報告書に掲載し、調査結果の課題分析と課題の解決を図る事例を一体的に示している。
2025年度全国学力テストは4月14日~17日、全国の国公私立の小学6年生と中学3年生を対象に実施され、国語、算数・数学、理科の教科調査と質問調査が行われた。7月31日には文部科学省から結果が公表され、同日に国立教育政策研究所も2025年度版の授業アイディア例を公開した。
授業アイディア例では、小学校は国語・算数・理科、中学校は国語・数学・理科の授業例を紹介している。2025年度の全国学力テストで無回答率がもっとも高かった中学校数学では、図形の証明問題に関連して、「すでに完成した証明の一部を書き直すことで、新しい証明を完成させよう」という授業例を紹介。教員と生徒との具体的なやりとりの例や、指導の際のポイントなどをわかりやすくまとめている。
授業アイディア例は、学校や教育委員会などに配布されるほか、Webサイトにも掲載されている。Webサイトでは、2009年度以降の授業アイディア例を見ることができる。日々の授業や研修会など、さまざまな場面で活用され、児童生徒の学習状況の改善につなげてほしいとしている。