文部科学省と国立教育政策研究所は2025年10月10日、2026年度(令和8年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、中学校英語のCBTサンプル問題を公表した。2026年4月のCBT調査に向け、中学校英語のサンプル問題や正答例、留意事項、今後のスケジュールなどを示している。
2026年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の実施基準日は、2026年4月23日。対象教科は、小学校が国語・算数、中学校が国語・数学・英語。中学校英語は、4月20日から始まる週内で分散してCBT形式で実施する。
10月10日には、生徒や教師が端末を用いたCBT調査を円滑に実施できるよう、中学校英語のサンプル問題を公開した。サンプル問題は、2026年4月の調査問題で使用される可能性のある解答方式に生徒が慣れることを重視して作成。文部科学省のCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」上に搭載している。
問題や正答例のほか、MEXCBTで閲覧する際の一連の流れやイメージ、留意事項もPDF形式で紹介。全国の教育委員会などに向けて事務連絡を発出し、CBT調査を円滑に実施するため、サンプル問題を利用するよう呼びかけている。特に英語「書くこと」の解答では、英文を記述する際、タイピングでの入力が必要になるため、生徒の資質・能力がCBT調査でも発揮できるよう、英文タイピング入力などに取り組む機会を設けるなど、工夫しておくことが望ましいとしている。
サンプル問題は、「読むこと」2問、「書くこと」2問、「聞くこと」3問、「話すこと」4問の計11問。技能ごとにまとめている。PDFで閲覧する際は、再生ボタンをクリックすると、MEXCBT上で再生されるものと同じ動画が閲覧できるようになっている。
このうち、「書くこと」の問題では、学校の英語版Webサイトに学校行事を紹介する文章を15語以上30語以内の英語で解答。キーボードなどで解答欄に入力した単語数は、表示される仕様となっている。
「聞くこと」「話すこと」問題の解答には、前回の2023年度(令和5年度)で使用したヘッドセットの活用を想定。「聞くこと」の問題では、再生ボタンをクリックして音声を聞いたうえで、質問に対する答えを選択。「話すこと」の問題では、問題音声の終了後、チャイム音の合図後にマイク表示の色が変わったら英語で話し始め、録音して解答する。
サンプル問題には、番号のタブを切り替えて情報を読み取ったり、選択肢の単語を移動して解答させたりなど、さまざまな解答形式を盛り込んでいる。また、MEXCBT上で問題終了後には解答が記録され、テスト結果や正答例が確認できる。録音した自分の音声も再生できるようになっている。
今後は、2026年1月ごろ、特別な配慮を必要とする生徒のための拡大文字問題・ルビ振り問題・スクリプト表示問題(「話すこと」のみ)を公開予定。2026年2月から3月には、サンプル問題を活用して調査当日と同じ環境で事前検証を実施する予定。