熊本県教育委員会は2025年6月20日、モデル校において実施した業務分析の調査結果をもとに「教職員のための学校業務改善ハンドブック」および「学校業務改善事例集」を作成。Webサイトに公開した。小・中・高・特別支援学校の業務改善事例を参考に、各校における教職員の働き方改革を一層推進したいねらい。
熊本県では、県内公立学校における働き方改革の推進に向けて、2024年度(令和6年度)学校における業務分析・業務改善モデル構築等業務委託事業を実施。民間コンサルに業務委託し、モデル校において業務分析調査を行い、その調査結果をもとに「教職員のための学校業務改善ハンドブック」および「学校業務改善事例集」を作成した。
2024年度事業では、モデル校10校において教職員アンケートや学校現場観察、教職員ワークショップなどを通じた課題・アイデアの共有、改善に向けた取組みなど、さまざまな業務改善活動が実践された。教職員のための学校業務改善ハンドブックでは、これらの取組みを通じて見えてきた、学校における業務改善活動を進めていくにあたっての大事なポイントを交えつつ、業務改善活動の進め方を紹介している。
具体的には、業務量と作業時間のバランスを改善するために、業務量を減らす、作業時間を増やす、時間の使い方を見直す、といった3つの考え方を軸に6つの見直しポイントを提示。さらに、学校業務改善活動の進め方とモデル校における取組み事例として、「方針設定」「課題の見える化」「業務改善テーマの選定」「改善活動の実践」「次年度教育計画への反映」「ふりかえり」の6つのステップで活動例を示している。
学校業務改善事例集は、小学校4校、中学校2校の取組みをまとめた「小学校・中学校編」と、高校3校、特別支援学校1校の取組みをまとめた「高校・特別支援学校編」に分けて作成。モデル校の1つ、南関第三小学校では、業務の効率化を図る手段として、会議の見直し(議題の精選)や、共有フォルダの活用、鍵や事務室、倉庫の整理整頓などに取り組んだ。
また、意識・ワークスタイルの改善に向けては、休暇取得の推進を図るべく、1時間単位での休暇利用を呼びかけ。事例集では、こうした取組みの1つ1つを紹介している。南関第三小学校では、年度末に実施した教職員アンケートで、46%の教職員が昨年度に比べてトータルの勤務時間(平日の放課後、土日、持ち帰りを含む)が「減った」と回答した。
「教職員のための学校業務改善ハンドブック」および「学校業務改善事例集」は、熊本県教育委員会のWebサイトで公開。各学校の教職員の働き方改革推進の取組みに活用してほしいとしている。