東京都教育委員会は2025年5月22日、東京グローバル人材育成指針に基づく、4つのTARGETについて都内公立小中高校生の達成度を調査した結果を取りまとめた。全項目で肯定的な回答が50%を超え、達成度は総じて高いことがわかった。
東京都教育委員会は、2022年3月に策定した東京グローバル人材育成指針に基づく、グローバル人材育成施策の成果を把握し、今後の取組みの参考とするため、2024年12月に調査を実施。小中高校生向けの施策について、これまでの成果を取りまとめた。
4つのTARGETとは、TARGET1「主体的に学び続ける態度と総合的な英語力の育成」、TARGET2「国内外の課題を解決する創造的・論理的思考力の育成」、TARGET3「世界の中の一員としての自覚と自己の確立」、TARGET4「多文化共生の精神の涵養と協働する力の育成」。
児童生徒への質問は、「外国語を(もっと)話せるようになりたい」「今、世界や日本で起きている出来事に関するニュースや動画を積極的に見ている」「自分も他の人も世界の一員として大切な存在だと思う」「自分とは違う考えの人の話をよく聞くようにしている」など16問。各TARGETごとに4つの質問で達成度を調査した結果、肯定的な回答(「そう思う」「ややそう思う」)が50%を超えており、すべてのTARGETで達成度が総じて高いことがわかった。
達成度が高い項目をみると、「外国語等の学習に主体的に取り組む意欲等」83.1%、「世界の一員としての自覚および自己の確立への意識等」71.7%、「異なる考え方や価値観を尊重する態度等」71.7%と続く。加えて、高校生では、次世代リーダー育成道場・国際交流プログラムの参加者のほうが、未参加の生徒より肯定的な回答が多く、4つのTARGETの達成度が高いことが明らかとなった。
東京都教育委員会では今後、グローバル人材育成に係る成果をより詳細に把握したうえで、児童・生徒のグローバル人材像や参加してみたい取組みなどを参考に今後の施策を検討する。また、学校において、さらにグローバル人材育成を進めていくことができるよう好事例も提示していくとしている。