東京都教育委員会は2025年5月22日、都立高校における「新たな受入環境充実校」の設置について発表した。東京都立深沢高校を2026年4月、不登校経験者らも入学・通学しやすい柔軟できめ細かな教育課程、教育相談体制の充実を図った「新たな受入環境充実校」にリニューアルする。
東京都では、不登校経験者や高校中途退学者などに向けて、ライフスタイルや学習ペースにあわせて午前・午後・夜間の時間帯を選んで入学できる昼夜間定時制・単位制・総合学科の「チャレンジスクール」を設置。特に午前部と午後部の人気が高く、2025年度チャレンジスクール全体の応募倍率も1.46倍と、1倍を超える水準となっている。
今回、2024年10月に策定した「都立高校に都立高校におけるチャレンジサポートプラン」に基づき、生徒の多様性に幅広く対応できる学校として、昼夜間定時制高校のチャレンジスクールとは別の新しいタイプの学校の開校を決定。チャレンジスクールの設置場所などをもとに地域バランスを踏まえ、世田谷区の深沢高校を「新たな受入環境充実校」に改編することにした。
「新たな受入環境充実校」となる深沢高校は、全日制・単位制・普通科、募集人員(予定)は1学年4学級160人。単位制の仕組みを活用し、登校時間は午前8時半から10時半までの間で生徒自らが選択可能とする。
チャレンジスクールの良さを全日制高校に取り入れ、生徒の多様性や興味・関心にあわせた多様な選択科目を設置するとともに、習熟度別の少人数指導などを実施。不登校傾向の生徒を対象とした校内別室指導でオンデマンド教材を活用するなど、デジタル技術などを活用した取組みも積極的に推進する。
また、スクールカウンセラーなどを常時配置して教育相談体制を充実させ、教室以外にも生徒の居場所を確保するなど、生徒が過ごしやすい環境整備にも注力。探究活動や体験活動を充実させ、生徒の主体性や好奇心を伸ばす機会の創出を目指す。
入学者選抜は、不登校経験のある生徒にも配慮した新たな方式を導入。学力検査の得点と調査書点の比率は、「7対3」「10対0」のいずれか高いほうを受検者の得点として採用する。
改編に向けて今後は、10月に募集人員などを正式に決定。2026年2月に入学者選抜を実施する。