東京都教育庁が提供する生成AIサービス「都立AI」が、2025年6月25日に東京都庁で開催された「都庁DXアワード2025」のサービス部門で最優秀賞である「知事賞」を受賞した。都立AIは、コニカミノルタジャパンが全都立学校向けに構築したもので、児童生徒の資質・能力育成や教職員の業務負荷軽減を目的としている。
「都立AI」は、2023~2024年度に生成AI研究校での実証を経て、2025年5月から全都立学校256校で展開されている。コニカミノルタジャパンは、教育事業で培った知見とAI基盤構築技術を生かし、約16万人が安全かつ円滑に利用できる教育用生成AI基盤を構築した。児童生徒の入力内容は生成AIの学習に利用されず、不適切なやり取りを防ぐフィルタリング機能を搭載しているため、安心・安全な利用が可能である。
「都庁DXアワード」は、東京都が所管する局・部門の中で、特に優れたデジタル活用・業務改善の取組みを表彰する制度。2025年度は、政策連携団体を含め全庁から43件の応募があった。
東京都教育庁の職員は、「生成AIを教育現場にも活かしていくことは、避けることのできないテーマです。児童・生徒を取りまく社会に生成AIがすでに浸透していることを考えれば、今できることから着手して教育現場に反映していくことが重要です」とコメントしている。
コニカミノルタジャパンは、生成AIやデータ分析を活用した学習支援サービス「tomoLinks」を2019年より展開している。「tomoLinks」は、学び方や理解のペースが異なる児童生徒への学びの機会の提供と個別最適な学びの実現を目指している。また、学校教育におけるAI活用推進の取組みを通じて得られた知見を「生成AI活用 実践アイデア集」として全国の教育委員会・学校へ無償提供している。
「tomoLinks」では、児童生徒向けの対話型生成AIとして「チャッともシンク」や「学習伴走型AI」を提供している。「チャッともシンク」は全国約140校で活用され、授業で児童生徒の思考を深める効果的な実践が行われている。これらのサービスは文部科学省のガイドラインに準拠し、安全性を確保する機能を搭載している。