2025年4月23日から3日間にわたって、東京ビッグサイトで開催された国内最大級の教育総合展「EDIX東京2025」。GIGAスクール構想を進める学校現場をトータルサポートする大塚商会は、多数の学習者用端末や教職員用端末の比較展示に加え、教育現場を支えるソリューションを紹介。加えて、デジタル庁主催のミニセミナーでは、光回線をはじめとする同社のサービスについてプレゼンテーションを行った。
大塚商会 LAプロモーショングループ公共支援課の嶋崎雄介氏と、同課の佐瀬智春氏に、Microsoft認定パートナーである大塚商会が発信する“GIGAスクール構想第2期(以下、GIGA2.0)を支える力”について聞いた。
現場の声に耳を傾ける「教育まるごと、大塚商会。」
GIGA1.0では、前例のないスピードで1人1台端末が導入され、日本の教育ICT環境は大きな転換期を迎えた。その反面、教育委員会や学校現場には、端末選定・ネットワーク構築・トラブル対応など、多大な負担がのしかかったのも事実だ。
「GIGA1.0では、『GIGA端末を上手く使えていない』という悩みが多くの教育現場から聞かれました。有効活用するためには、端末を使った学習環境全体をどう設計するかが重要だと考えました」と語るのは、大塚商会の嶋崎氏。マルチベンダーとして全国の教育現場を支援してきた同社は、GIGA1.0の成功と課題をもっとも身近に見てきた企業のひとつだろう。

そんな大塚商会がEDIX2025のブーステーマに掲げたのが「教育まるごと、大塚商会。」というスローガンだ。これは、単なる機器や回線の提供にとどまらず、教育ICTのトータルサポートを通じて、学校のDXを包括的に支援するというメッセージに他ならない。

GIGA1.0から大塚商会が一貫して提案してきたのが「選択肢のある導入」だ。マルチベンダーとして、複数のOSやメーカーの端末を横断的に扱い、それぞれの教育現場に最適な組合せを提案できる。「教育現場では、導入後の“ちょっとした困りごと”が大きなストレスになります。だからこそ、機器もネットワークも、相談窓口も一括で支援できる仕組みが必要だと考えています」と嶋崎氏は語る。
現場の声を受け止め、機器選定から運用管理、ネットワーク支援、使用後の回収までを一貫して提供する体制が、大塚商会のGIGA対応サービスの中核となっている。
すべて任せられる安心感、煩雑な工程に「ワンストップ体制」で対応
GIGA端末の更新にあたり、教育委員会や学校が直面する課題のひとつが、機器の選定と運用をめぐる工程の煩雑さだ。大塚商会の強みは、その工程を一括で任せられるところにある。予算・既存環境・現場の要望に応じて、最適な選択肢を提案できるだけでなく、端末の選定から納品・設定・運用・保守・リプレイスまで、すべてのフェーズを一貫して担う「ワンストップ体制」は、教育現場にとって心強い。
加えて、出張にも対応した保守・サポート体制、教職員向けの操作研修、Microsoftライセンスの管理支援、セキュリティ対応など、きめ細やかな支援も行っている。「GIGA1.0では先生方にICTの設定やトラブル対応を任せてしまい、結果として利活用に手が回りませんでした。これは本来あるべき姿ではありません。私たちは、先生方が授業や校務に集中できるよう、ICTを当たり前に使える環境を整えるのが役割だと考えています」と嶋崎氏は話した。
また、同社はMicrosoftと強いパートナーシップを築いており、CopilotなどAIを含めたMicrosoftの最新教育ソリューションを提供する「GIGAソリューションパートナー」かつ「ゼロタッチデバイス管理パートナー」に認定されている。OSの切り替えタイミングやサポート終了のスケジューリングといった運用計画について、的確にアドバイスできるのも大きな安心材料のひとつだ。

教育の“いま”が見える、Windows端末とGIGA2.0ソリューション
EDIX会場内に設けられた大塚商会ブースには、国内の主要PCメーカーによるGIGA2.0対応の学習者用・教職員用端末や、ネットワークサービス、クラウド連携ツールといった教育現場を支えるソリューションの展示パネルが並び、来場者の注目を集めていた。
中でも目を引いたのは、学習者用と教職員用端末が一堂に並んだ展示。特に教職員用端末は10メーカー、全19台という圧巻のラインアップで、スペック、サイズ、使用感を比較検討できる。今回の展示は、単なる“品揃え”ではなく、現場のニーズに応じて“選び比べられる場”として構成されたものだ。「ここまでまとまって比較できる展示は他にない」との声も多く聞かれ、来場者が実機に触れ、スタッフの説明を聞きながらタッチパネルの反応やWindows端末に搭載されたCopilotキーなどを試す姿が見られた。

GIGA2.0における文部科学省の方針に沿っている端末であっても、スペックやソフトウェア、サポート体制はメーカーごとに違いが明確に現れている。「メーカー横断で展示でき、中立の立場で案内できるのは、マルチベンダーの強みです」と嶋崎氏も語る。
学習者用端末の利活用を促進する充実のパッケージ
会場には端末だけでなく、利活用促進や業務効率化を目的としたソリューションが大型パネルで展示されていた。大塚商会独自の学習者用端末向けの統合ソリューション「GIGAスクール第2期 基本パッケージ for Windows」は、端末の導入から運用までをサポートするサービス。Windows 11を搭載した端末であれば、どのメーカーでも利用できる。
Microsoft認定の「GIGAソリューションパートナー」かつ「ゼロタッチデバイス管理パートナー」である大塚商会が、初期不良の確認、端末や付属品のセットアップなどを行い、納品後すぐに授業で活用できるようにするほか、既存の端末を無償で下取りする。さらに、LINEや電話によるヘルプデスクも備えており、端末やアプリの操作について気軽に相談できる。
また、朝日新聞社と提携し、小学生に人気の学習漫画「サバイバル」シリーズを大塚商会のオリジナルツールとして収録。SDGsや科学テーマを楽しく学習でき、端末の利活用促進も期待されるコンテンツが基本パッケージに組み込まれている点にも注目したい。
応用パッケージでは、ウィンバードの授業支援ソフト「Win Bird 授業支援 for Edge」、シスコシステムズのフィルタリングソフト「Cisco Umbrella」、シャープの電子辞書ツール「Brain+(ブレーン プラス)」も提供可能だ。

これらのソリューションを含めたパッケージは、大塚商会が教育委員会や学校ごとのニーズに応じて柔軟にカスタマイズし、導入から運用までワンストップで支援する。Windowsという共通のプラットフォームを基盤にしつつ、それぞれの教育現場の実情に即した提案ができるのは、マルチベンダーである同社の強みだ。
学習者用としてWindows端末を導入するメリット
大塚商会が取引する教職員用端末はWindowsが8~9割にのぼるという。校務では基本的にMicrosoft 365が使われるため、学習者用端末もWindowsであれば、互換性に問題もなく、先生が作った文章やコンテンツが崩れることなく授業に展開できるという点が非常に大きなメリットだ。
多くの企業などではWindowsが一般的に使われている。Windowsのインターフェースや使用感に慣れていくことが、将来的なデジタルスキルを身に付けていくうえでも重要な要素になってくるのではないだろうか。
生成AIを味方につけたGIGA2.0の校務DX
会場では、Windows 10のサポートが2025年10月14日で終了することへの注意喚起とともに、Windows 11端末への移行支援に関するソリューションが紹介されていた。
「Windows 11への移行は単なるOSアップグレードではなく、校務のあり方そのものを見直すきっかけになると捉えています」と語るのは、大塚商会の佐瀬氏。特に注目すべきは、MicrosoftのAIアシスタント「Copilot」による業務支援機能だ。2024年より、Windows端末には「Copilotキー」が標準搭載されており、生成AIが簡単に使える環境に移行しつつある。
大塚商会が提案するMicrosoft「校務用PCソリューションガイド」では、 Copilot for Microsoft 365を使いこなすためのまるごと支援サービスを展開。基本的な使い方はもちろん、データへのアクセス権や配置などのセキュリティ対策、適切なプロンプトのノウハウ、管理者・利用者向けの生成AI研修など、校内DXの推進につながるトータルサポート体制を整えている。

Copilot+ PCという新たな選択肢
また、教職員用端末として「Copilot+ PC」にも注目が集まる。会場でも実機に興味を示している来場者が多く見られた。佐瀬氏は、「今後AIを活用する場面は、教育現場でも確実に広がってきます。Windows 10のサポート終了が間近に迫る中、せっかく端末を入れ替えるのであればCopilot+ PCの導入も検討してほしい」と話す。
佐瀬氏は続けて、「AIを導入しても使いこなすのが難しいという方も多いと思います。私たちマルチベンダーが、活用方法や活用事例などを積極的に発信し、現場の先生たちに広めていくことで教育現場でのAI活用をさらに広げていきたいと思っています」と語った。
回線サービス3つのメリット、教育DX支えるインフラ基盤
EDIX東京2025では、デジタル庁が主催する「教育DXミニセミナー」も行われていた。会場内に設けられたセミナースペースでは、教育ICTに関する最新のソリューションや先進的な取組みが次々に紹介される中、大塚商会の佐瀬氏は、同社が提供する光回線サービスとネットワークアセスメントについてプレゼンテーションを行った。

冒頭、佐瀬氏は大塚商会から回線を導入するメリットとして、マルチキャリア対応・トータル提案力・ワンストップ体制の3つをあげ、以下のように述べた。
1.マルチキャリア対応:複数の通信キャリアと提携する大塚商会では、学校規模や地域特性に応じた柔軟な回線構成が可能となる。
2.トータル提案力:インターネット速度の改善には、回線だけでなくルーターやUTM(統合脅威管理)、スイッチ、Wi-Fi、LANケーブルに至るまでのネットワーク全体の見直しが不可欠。大塚商会では、こうした周辺機器も含めた包括的な構成提案を行い、学校の通信環境を根本から見直すことができる。
3.ワンストップサポート体制:導入後のトラブル対応についても、大塚商会が全体の窓口となり、問合せから障害切り分けまでを一括して対応。フリーダイヤルのコールセンターが設けられており、万が一の際にも迅速に対応できる。

環境整備の鍵はネットワークアセスメント
文部科学省はGIGA2.0関連予算の中に、「ネットワークアセスメント実施促進事業」を計上。GIGA2.0の基盤整備の中核に据える取組みのひとつとして、現状の通信環境を分析・診断し、最適なネットワークを構築するよう推進している。「このアセスメントが非常に重要です。端末の入れ替えと同時に実施することで、よりスムーズなICT環境の構築と利活用が可能です」と佐瀬氏。大塚商会では簡易診断から専門的な調査まで、ニーズに応じたアセスメントを無償またはキャンペーン価格で提供している。
回線サービスの具体的なラインアップも紹介された。高品質なギャランティー型回線としては、アルテリアの「UCOM光ファーストギガビットアクセス」プレミアムプランがあり、専有型の通信環境により他のユーザーのトラフィックの影響を受けず、安定した接続が可能となる。ベストエフォート型の回線としては、ソフトバンクの「Suite Ether(スイートイーサー)」や、「NUROアクセス」が紹介され、地域によって、最適な提案ができる構成となっている。
さらに注目されたのが、大塚商会オリジナルの法人向け光回線サービス「たよれーる ひかりクロス(10Gbps)」だ。このサービスは、プロバイダーと回線契約を一本化できるのが特長で、管理業務の軽減と導入のスピード化を実現する。共有型ながらも実用に足る安定性を確保しつつ、月額5,000円程度というコストパフォーマンスの高さも際立つ。「プロバイダー費用を加えても、月額13,000円台からの導入が可能です」と佐瀬氏は続けた。

大塚商会では、こうした多様なラインアップを、教育現場の規模や課題に応じて最適に組み合わせ、ワンストップで提供する体制を整えている。セミナーの最後に佐瀬氏は「ICT環境整備は、端末に加え、回線を含むインフラ全体の見直しが不可欠です。まずはご相談ください」と締めくくった。
学びの先を見据える“まるごと支援”目指すはGIGA2.0の最適なパートナー
EDIX東京2025の展示ブース、そしてミニセミナーを通して、端末導入から利活用、そして“つながる環境”まで一気通貫で提案できる大塚商会の強みを体感した。「教育まるごと、大塚商会。」この言葉には、自社一貫対応だからこそ生まれる信頼と安心が詰まっている。
大塚商会の教育への思いを佐瀬氏に聞くと、「いちばん大切にしているのは、児童生徒の学習環境です。児童生徒がしっかりと学習に向き合えるよう、先生方の業務負担を軽減する校務DX支援、端末をより効果的に使えるソフトウェアの企画・提案をトータルで進めたい。児童生徒がもっと自由にICTを使えるよう、そして先生方が本来の教育に集中できる時間を創出できるように、これからも私たちは全力で教育現場をサポートしてまいります」と力強く語った。
GIGA2.0は“新しい教育の始まり”であり、学びのあり方を根底から見直すための転換点でもある。大塚商会は、教育ICTを全方位から支える存在として、トータルサポートする姿勢を今後も貫くだろう。子供たちの学びが進化し続けるために、共に歩んでくれる教育現場のパートナーとしての大塚商会は、とても心強い存在だと感じた。
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