国立教育政策研究所は2025年4月17日、2025年度(令和7年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の調査問題・正答例・解説資料をWebサイトで公開した。CBT形式を初導入した中学校理科では、動画を用いた問題が初めて出された。
2025年度全国学力テストは、全国の小学6年生と中学3年生を対象に4月17日に実施。中学校理科は、文部科学省のCBTシステム(MEXCBT)によるオンライン方式で、4月14日から17日のうちの1日で行われた。
公開されたのは、「教科に関する調査」の調査問題・正答例・解説資料と質問調査の質問紙。教科は、小学校が国語・算数・理科、中学校が国語・数学・理科。教科や内容別にPDFデータでまとめている。
このうち、初めてオンライン方式を導入した中学校理科の問題には、8つの動画、2つのアニメーションを掲載。ドライアイス(二酸化炭素)の中でマグネシウムが燃焼する動画を見て、図を参考に実験で起きた化学変化を考察させるなど、CBTならではの問題も出された。公開している調査問題PDFでは、動画イメージをクリックすると、動画やアニメーションを閲覧できるようになっている。
文部科学省では、CBT導入の意義として、多様な方法・環境での出題や解答が可能になること、電子データで問題・解答を配信・回収することによる負担軽減などをあげている。
一方、学校を対象とした質問では、学校運営や授業改善の取組状況、教科の指導方法、ICTを活用した学習状況など、15項目を調査。児童・生徒向けの質問調査では、学校の授業時間以外の学習時間、家庭での生活のようす、ICT機器の利用状況などを尋ねている。
国立教育政策研究所Webサイトでは、2025年度実施分のほか、過去の全国学力テストについても資料を公開している。