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埼玉県、就学支援金制度の拡充など文科大臣に要望

 埼玉県の大野元裕知事は2024年6月11日、盛山正仁文部科学大臣へ「就学支援金制度の拡充等に係る要望」を手交した。就学支援金制度の拡充を筆頭に、学校部活動の地域クラブ活動への移行の環境整備や、教職員定数の改善など、9項目にわたり要望への支援と協力を求めた。

教育行政 教育委員会
盛山正仁文部科学大臣(左)に要望を手交する大野元裕埼玉県知事(右)
  • 盛山正仁文部科学大臣(左)に要望を手交する大野元裕埼玉県知事(右)
  • 要望内容
  • 高等学校等就学支援金制度リーフレット

 埼玉県の大野元裕知事は2024年6月11日、盛山正仁文部科学大臣へ「就学支援金制度の拡充等に係る要望」を手交した。就学支援金制度の拡充を筆頭に、学校部活動の地域クラブ活動への移行の環境整備や、教職員定数の改善など、9項目にわたり要望への支援と協力を求めた。

 埼玉県は、多様化する教育ニーズへの対応や、学校における働き方改革の推進、部活動の地域クラブ活動への移行など、学校を取り巻く環境が大きく変化し、さまざまな課題に直面しているとして、県が取り組むこれらの課題解決に向け、国に支援と協力を求める要望書を提出した。

 要望の内容は、全部で9項目にわたる。「就学支援金制度の拡充」については、現状、年収約590万円未満の世帯まで39万6千円を支給上限とする国の私立高校における就学支援金について、財政上の制約により保護者の負担に大きな差が生じているとして、居住地によって差が生じないよう、支給限度額の撤廃や所得要件の緩和、補助対象費用の拡大などの拡充を図ることを要望した。

 また、「学校部活動の地域クラブ活動への移行の環境整備」では、現状、地域クラブ活動への移行達成時期の目標は設定しないとの方針が示され、具体的な取組みは自治体に委ねられたことで将来像が不明確となっていることを踏まえ、地域クラブ活動への移行の将来像を明確にし、具体的なスケジュールや手順、財政支援の継続期間等について示すこと。部活動指導員の人材確保に係る財政支援の拡充や、経済的に困窮する家庭の生徒の参加費用等について財政支援を図ることを求めた。

 そのほか、要望では「教職員定数の改善と柔軟な配置の促進」「学校における働き方改革の推進のための教員業務支援員等の配置推進」「遠隔授業における生徒数、教職員配置および学習評価方法の弾力化」「教育職員における障害者雇用の推進」「特別支援学校の幼稚部・専攻科の教職員定数に係る法制度の整備」「文化財保護行政の推進と文化財の適切な保存活用への支援」「地域における日本語教育に対する十分な財源確保」の各項目について、現状の課題とともに要望事項を記している。

 要望の手交については、埼玉県Webサイトの県政ニュース(報道発表資料)に掲載。要望書の全文も見ることができる。

《畑山望》

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