科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は2025年8月8日、科学技術指標2025を公表した。順位は前年(2024年)に引き続き、主要7か国中、産学官を合わせた研究開発費・研究者数は第3位、論文数は第5位という結果だった。
科学技術指標は、科学技術活動を客観的・定量的データに基づき体系的に把握するための基礎資料。科学技術活動を「研究開発費」「研究開発人材」「高等教育と科学技術人材」「研究開発のアウトプット」「科学技術とイノベーション」の5つのカテゴリーに分類し、約160の指標で日米独仏英中韓の7か国の状況を表している。また、論文および特許の指標については、NISTEP独自の調査分析結果の最新値が掲載されている。
主要な指標における日本の状況を見ると、主要7か国中、産学官を合わせた研究開発費・研究者数は第3位、論文数は第5位となり、前年と変わらなかった。2か国以上への特許出願数(パテントファミリー数)においては第1位を約20年間維持している。
日本の研究開発費は主要国と比べて伸びが鈍く、製造業・非製造業とも企業の売上高に占める割合も横ばいが続いている。一方、米国では製造業・非製造業ともに増加傾向にある。研究用消耗品の価格は大幅に上昇し、ヘリウムは2010年比で7.2倍、試薬類は4.6倍。女性研究者数は微減したものの、博士号取を保持する女性研究者数は増加。任期付き研究者の割合は女性のほうが高い傾向にある。
日本の博士課程入学者数は長期的な減少傾向から2022年度以降増加に転じ、2024年度は前年比4.9%増であった。留学生は日本・米国ともにアジア出身が多く、米国ではインドが中国を上回るなど構成に変化が見られる。日本の大学院においてASEAN上位5か国の学生数は工学系が多いが、専攻分野の中でも「農学」系に特化する国が多い。
科学技術指標2025で新たに追加された、「人口100万人当たりの博士号取得者数」は主要国中第6位、「技術(特許)における科学知識(論文)の活用度」は第7位であった。