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指定国立大、第4期中期目標3年目フォローアップ状況分析…文科省

 文部科学省は2025年5月16日、指定国立大学法人における第4期中期目標期間3年目フォローアップ状況をWebサイトに掲載した。東北大学をはじめ、すべての指定大学が目標達成に向け着実に推進しているとする一方で、多くの大学で国際的ベンチマークに対する分析が不十分と評価した。

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指定国立大学法人の第4期中期目標期間3年目フォローアップについて
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 文部科学省は2025年5月16日、指定国立大学法人における第4期中期目標期間3年目フォローアップ状況をWebサイトに掲載した。東北大学をはじめ、すべての指定大学が目標達成に向け着実に推進しているとする一方で、多くの大学で国際的ベンチマークに対する分析が不十分と評価した。

 指定国立大学法人制度は、文部科学大臣が世界最高水準の教育研究活動展開が見込まれる国立大学法人を指定し、教育研究水準の著しい向上とイノベーション創出を目指し、2017年度に導入された制度。現在、東北大学、筑波大学、東京大学、東京科学大学(旧東京工業大学・旧東京医科歯科大学)、一橋大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学が指定されている。

 今回、第4期中期目標期間3年目を迎えた指定国立大学法人が掲げる構想の進捗状況について、同省の審議会(国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会指定国立大学法人部会)が、各大学の説明資料に基づき分析。指定国立大学法人が備えるべき6つの要素に留意し、特に国際ベンチマークに対する進捗などを踏まえた活動状況について調査した。

 東北大学については、指定国立大学法人が備えるべき6つの要素のうち、「人材育成・獲得」「研究力強化」「社会との連携」について特筆すべき進捗状況にあると高く評価。また、東京大学、京都大学も、構想における目標値を前倒しで達成するなど、各要素において全体的に順調な進捗状況にあるものと評価した。

 一方、一橋大学については、第4期中期目標期間の初年度に見直しを行った新たな指定国構想の実現に向け、多くの取組みはおおむね順調に進んでいるとしたものの、やや遅れが見られる取組みもあると指摘。目標期間の後半に向けて、さらなる構想の推進を求めた。

 全体的には、いずれの大学も目標達成に向け、取組みを着実に推進していると評価された。ただし、「世界最高水準の教育研究活動を展開し国際的な拠点となり得る国立大学法人」を目指すという観点でみると、「まだ発展途上のように思われる」と指摘。多くの大学では国際的ベンチマークに対する分析が十分ではなく、効果的な比較や戦略の策定などに反映できていない状況だという。

《川端珠紀》

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