東京都教育委員会は2025年4月28日まで、「いじめ総合対策(第3次)案」について都民から意見を募集している。上巻「学校の取組編」、下巻「実践プログラム編」でいじめ防止の取組みやポイントをまとめている。小中高生向けの子供版もある。意見は、郵送またはWebアンケートで提出する。
「いじめ総合対策(第3次)」は、2021年策定の「いじめ総合対策(第2次・一部改定)」の内容を受け継ぐとともに、国の生徒指導に関する資料の改訂などを受け、いじめ防止の一層の推進に向けて策定するもの。対象は、都教育委員会、区市町村教育委員会、都内公立学校。実施期間は、2025年7月1日から2029年3月31日まで。
上巻(学校の取組編)と下巻(実践プログラム編)があり、上巻では「生徒指導提要の改訂」「第5期東京都教育委員会いじめ問題対策委員会答申」「いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの改訂」について解説。いじめ防止の取組みを推進するポイント、「未然防止」「早期発見」「早期対応」「重大事態への対処」という4段階の具体的な取組みをまとめている。
下巻には、いじめ防止のための「学習プログラム」、いじめ問題解決のための「教員研修プログラム」、いじめについて学校と共に考える「保護者プログラム」、いじめ問題解決のための「地域プログラム」を掲載。自己指導能力を身に付けることができるよう、すべての学習事例に「生徒指導の実践上の視点」を盛り込んでいる。
子供版も発達段階に応じて3編あり、「初級編」は小学校1年生から3年生、「中級編」は小学校4年生から6年生、「上級編」は中学校・高等学校を想定。法や条例などで示されていることや都内公立学校の取組みをわかりやすく解説し、子供自身が学んで考えることのできる内容となっている。
東京都教育委員会では4月28日まで、「いじめ総合対策(第3次)案」に対して広く都民から意見募集(パブリックコメント)を行う。対象は、小中高大生、専門学校生、保護者、学校関係者など。郵送またはWebアンケートによる入力で意見を提出する。電話や持参による受付は不可。意見は日本語で記載する。
パブリックコメントに加え、4月上旬には、都内公立小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の子供たちへの意見聴取も実施。6月下旬には、パブリックコメントの結果を報告したうえで、「いじめ総合対策(第3次)」を策定・公表する予定。
◆「「いじめ総合対策(第3次)案」意見募集
募集期間:2025年3月27日(木)~4月28日(月)
提出方法:郵送またはWebアンケート