文部科学省は2023年7月、教育現場における生成AIの利用について暫定的なガイドラインを発表した。それから約1年半が経過し、生成AIを授業や校務で活用する事例が少しずつ増えてきている。一方で、学校現場では生成AIに対する期待と不安が交錯している。
日本マイクロソフトは、文部科学省が12月20日に発表した生成AIのガイドライン案に基づいたプロンプト集を無償公開した。全国の生成AIパイロット校の支援や都道府県へのAI研修などを行っているマイクロソフトの知見を集めて作成されたプロンプト集では、授業準備・部活動・生活指導・学校からの情報発信・校内研修・外部対応の6つのシーンで活用できる、10事例を紹介。初めて生成AIを利用する教員でも気軽に始められるという。
Microsoftの生成AI 明日から使えるCopilot依頼文(プロンプト)10
1)授業で取り扱う教材や確認テスト問題のたたき台を作成する
2)児童生徒による授業の感想の集約を行う
3)授業で使用したワークシート等の振り返りの内容を基にテスト問題のたたき台を作成する
4)次学期・翌年度の授業計画作成のたたき台を作成する
5)過去の部活動の練習メニュー一覧を読み込み、毎日の練習メニュー案を作成する
6)児童生徒等の生活実態の調査のためのアンケート案を作成する
7)各種お便り(学年・学級だより等)・通知文・案内文のたたき台を作成する
8)校内研修用の資料のたたき台を作成する
9)研修や講習会の録画を読み込ませ、要約・議事録案を作成する
10)外部向け講演会や集会の挨拶分のたたき台を作成する
プロンプト集の作成に携わった、日本マイクロソフトの青木智寛氏は「先生方が感じている生成AI利用のハードルの高さになるべく寄り添い、実際の教育現場での利活用を意識した内容を盛り込むことを意識したものになります。基本的な使い方・考え方を知ることで、先生方がはじめの一歩を踏み出せるようなきっかけになれば幸いです。本資料は無料で提供されており、自由にリンクの共有、印刷、配布が可能です。生成AIの教育現場での導入が一層促進され、先生と児童・生徒とってより良い教育の実現に少しでも繋がれば幸いです」とコメントしている。
プロンプト集は、生成AIの教育現場での導入を促進し、教師と児童・生徒にとってより良い教育の実現を目指す取組みの一環だという。生成AIを活用するための具体的な手引きが提供されることで、教育現場での生成AIの利活用が進むことに期待される。
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