明日香が運営する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」は2026年2月13日、「保育士の多様な働き方・キャリアパス調査」の結果を公表した。潜在保育士の63.4%が保育士不足解消に「給与・待遇の改善」が重要と答え、現役保育士の回答を18.0ポイント上回った。
調査は、IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査として、2025年12月1日から11日にかけて実施された。有効回答は現役保育士108名、潜在保育士93名。
保育士不足を解消するために重要だと思うことについて質問したところ、現役保育士は「給与・待遇の改善」が45.4%、「労働時間の短縮」が36.1%、「柔軟な働き方の選択肢を増やす」が31.5%という結果となった。一方、潜在保育士は「給与・待遇の改善」が63.4%と最多で、「労働時間の短縮」が26.9%、「柔軟な働き方の選択肢を増やす」が26.9%と続いた。
潜在保育士が現在、保育職に就いていない理由については、「給与が低いから」が43.0%で最多となり、「他の仕事に興味があるから」が33.3%、「体力的にきついから」が29.0%という回答となった。また、現役保育士が現在の働き方において課題だと感じていることについては、「給与が低い」が38.0%、「労働時間が長い」が37.0%、「キャリアアップの機会が少ない」が29.6%という結果となった。
現役保育士が現在の働き方(雇用形態・勤務先)を選んだ理由については、「ワークライフバランスを重視したいから」が41.7%、「やりがいのある仕事ができるから」が37.0%、「家庭や育児と両立しやすいから」が35.2%という回答となった。
今後どのような働き方を希望するかについて質問したところ、現役保育士は「正規職員(フルタイム)として働きたい」が64.8%、「正規職員(短時間勤務)として働きたい」が25.0%、「非正規職員(パート・アルバイト)として働きたい」が15.7%という結果となった。
現役保育士に、保育士として保育所以外の場所(子育て支援センター、ベビーシッター、放課後児童クラブ等)で働くことに関心があるか質問したところ、「非常に関心がある」が48.1%、「やや関心がある」が40.7%という回答となった。どのような場所で働くことに関心があるかについては、「一時預かり施設」が54.2%、「子育て支援センター」が39.6%、「放課後児童クラブ」が30.2%という結果となった。
現役保育士が理想の働き方を実現するために重要だと思うことについては、「給与・待遇の改善」が45.4%、「労働時間の短縮」が43.5%、「柔軟な勤務時間の選択肢」が26.9%という回答となった。
潜在保育士に、今後保育職に就職・復職することに関心があるか質問したところ、「非常に関心がある」が9.7%、「やや関心がある」が34.4%という結果となった。復職意向のある潜在保育士に、どのような条件であれば保育職への就職・復職を検討するか質問したところ、「短時間勤務が可能であれば」が51.2%で最多となり、「給与が改善されれば」が43.9%、「柔軟な勤務時間が選べれば」が43.9%と続いた。
潜在保育士は現在、保育士資格を何らかの形で生かしているかについては、「まったく生かしていない」が37.6%、「保育以外の仕事で生かしている」が26.9%という回答となった。
調査結果から浮かび上がったのは、保育士不足の本質が「人がいない」のではなく、「戻りたくても戻れない構造」にあるという現実。潜在保育士の多くが、給与・待遇を最大の課題としてあげている点は、現役保育士の認識とも重なっており、保育現場が長年抱えてきた構造的課題が、いまもなお解消されていないことを示している。
さらに、現役保育士の約9割が保育所以外の場で働くことに関心を示していることから、保育士のキャリアは「園に勤め続ける」だけではなく、地域の中で多様に広がり得ることが明らかになった。一時預かり施設や子育て支援センター、放課後児童クラブなど、保育の専門性を生かせるフィールドはすでに存在しており、それらを"周辺的な仕事"ではなく、正式なキャリアパスとして位置づけ直すことが求められているという。














