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中高生の英語力、目標50%に向け改善進む…文科省

 文部科学省は2022年5月18日、2021年度英語教育実施状況調査の結果を公表した。CEFR A1レベル(英検3級)相当以上の中学生は47.0%、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上の高校生は46.1%。目標の50%には達していないものの、経年で着実に改善が進んでいる。

教育行政 文部科学省
中学生・高校生の英語力
  • 中学生・高校生の英語力
  • 高校生の学科別の英語力
  • 中学生・高校生の英語力(都道府県・指定都市別)
  • 英語担当教師の英語力(中学校・高等学校)
  • 英語担当教師の英語力(都道府県・指定都市別)
  • 生徒の英語力向上に向けた分析
  • 小学校における外国語教育担当者等の現状
 文部科学省は2022年5月18日、2021年度英語教育実施状況調査の結果を公表した。CEFR A1レベル(英検3級)相当以上の中学生は47.0%、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上の高校生は46.1%。目標の50%には達していないものの、経年で着実に改善が進んでいる。

 「英語教育実施状況調査」は、英語教育改善のための具体的な施策の状況について調べ、今後の国の施策の検討に資するとともに、各教育委員会における英語教育の充実や改善に役立てるため、2013年度より毎年実施。2020年度は中止している。対象は、各都道府県・市区町村教育委員会、すべての公立小学校、中学校、高校。調査実施基準日は2021年12月1日。調査学校数は小学校1万8,862校、中学校9,252校、高校3,306校。

 CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成している中学生は47.0%、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を取得している高校生の割合は46.1%。目標の50%には達していないものの、経年で着実に改善が進んでおり、前回調査(2019年度)より中学生は3.0ポイント増、高校生は2.5ポイント増となった。高校生では、特に「CEFR A2レベル相当以上を取得している生徒」の割合が4.5ポイント上昇した。

 高校生の英語力を学科別にみると、すべての学科でCEFR A2レベル相当以上を取得している割合が増加。普通科では、外国語の資格検定試験は受験していないがCEFR A2レベル相当の英語力を有すると思われる生徒の割合が減り、資格検定試験を実際に受験してCEFR A2レベル相当以上を取得している生徒が増えている。

 中学生・高校生の英語力は、都道府県・指定都市による差が大きい。CEFR A1レベル相当以上の英語力を有する中学生の割合では、「さいたま市」86.3%、「福井県」85.8%等が高く、「佐賀県」31.9%、「愛知県」32.0%等が低かった。CEFR A2レベル相当以上の英語力を有する高校生の割合では、「福井県」59.6%、「富山県」59.3%等が高く、「福島県」36.3%、「鹿児島県」37.1%等が低かった。文部科学省では、「引き続き、授業改善等の取組みを共有していくことが必要」としている。

 一方、CEFR B2レベル(英検準1級)以上を取得している英語担当教師の割合は、中学校40.8%、高校74.9%。中学校、高校ともに増加傾向にある。調査結果の相関分析や回帰分析によると、生徒の英語力向上には、中学校・高校のいずれにおいても「生徒の英語による言語活動時間」「英語教師の英語力」の2つの要素が影響を与えていた。「教師の英語使用割合」が高いほど、「生徒の英語による言語活動時間」の割合も高くなる傾向もみられた。

 小学校の外国語教育については、学級担任が行っている状況が多かったが、学級担任以外の専科教師等の活用も一定の割合でみられた。小学校教師のうち中・高校英語免許状を所有している割合は7.5%。前回調査時より1.2ポイント増加した。

《奥山直美》

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