HelloWorldは、英語教育を担当する中学校・高等学校の教員を対象に「学校の英語教育での生成AI活用に関するアンケート調査」を実施し、60名から回答を得た。調査結果によれば、生成AIを用いた教材の導入状況について、60%が「トライアルも含めて利用したことはない」と回答した。
この調査は、HelloWorldが設立したIntEx研究所によって行われた。「WorldClassroom」を導入している中学校・高等学校の英語科教員を対象に調査を実施し、60名の有効回答を得た。調査期間は2025年4月9日~5月20日。
生成AI活用は教育業界でも注目されており、文部科学省は、令和6年度「小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業(AIの活用による英語教育強化事業/AI英語モデル校事業・AI英語活用リーダー事業)」を推進している。この事業は、急速な発展が見込まれる生成AIの効果的活用により、「話すこと」「書くこと」について、練習量の増加や動機付けの強化等、英語教育の抜本強化を目指すもの。
一方、学校現場からは効果を期待する声とともに、教育者としての取組みについて課題や不安の声も聞かれることから、HelloWorldは独自に調査を実施した。調査結果によると、生成AIを用いた教材を授業に取り入れるメリットとして、「生徒ごとに個別学習が可能になること」や「教員の負担軽減」があげられた。
また、生成AIを用いた英語教材に期待する効果として、76.7%が「スピーキング練習量の増加」と回答し、ついで「英語での自己表現力の向上」が53.3%であった。これらの結果から、スピーキングや自己表現といったアウトプットを伴う領域に対し、効果が期待されていることがうかがえる。
しかし、生成AIの英語教材導入における悩みや課題として、6割以上が「効果的なAI活用促進方法や活用の仕方が分からない」と回答した。また、「既存のカリキュラムとの組み合わせやバランスを取るのが難しい」と回答した教員も半数近くに及んだ。これにより、新たなツールを授業に取り入れ、進度を落とさず授業を進めていくことの難しさに直面する教員が多いことがわかる。
さらに、教材選定の基準についての悩みに加え、取得データや生成されるコンテンツへの不安を抱える教員もそれぞれ3割以上に達しており、個人的な業務効率向上ではなく生徒に提供する教材だからこその悩ましさもあることがうかがえる。
HelloWorldでは、より多くの子供たちの英語学習を支援し、多様性あふれる社会の実現に貢献すべく、生成AI教材の効果的な活用に向け、今後もこうした教員の声を踏まえた情報発信やノウハウ提供に取り組んでいくとしている。