あべ文部科学大臣は2025年6月17日の記者会見で、2025年度の骨太の方針で明示された2026年度からの中学校35人学級の導入実現について、400億円規模の予算を確保し、3年間で約1.7万人の教員定数改善を見込んでいることを明らかにした。
政府は6月13日に2025年度の骨太の方針を閣議決定。公立中学校では教育の質の向上に向け、2026年度から35人学級の実現を目指すことが明記された。あべ文部科学大臣は、必要な予算額は400億円程度を想定しており、少子化の影響も踏まえつつ必要な財源をしっかり確保していく考えを示した。教員定数は3年間で約1.7万人の改善を見込む。
一方、記者から質問があった給食費無償化については、先日の3党合意や2024年12月に公表した課題整理に基づき、2026年度(令和8年度)予算編成過程で具体化を行う方針と説明。現在は3党の検討チームで教育無償化について順次議論されており、文部科学省として詳細なスケジュールは示せない状況だが、今後十分な検討を行い、安定的な財源確保とあわせて意義ある給食無償化の実現に取り組むと明言した。
学校給食の地場産物の使用状況に関する調査については、学校現場の調査負担も配慮し抽出調査を実施し、その実態を把握しているが、調査方法の変更については、教職員の勤務状況を踏まえ、慎重であるべきとの考えを強調した。
学用品の学校備品化については、各学校で使用する教材の費用負担のあり方を含め、自治体が適切に判断することになると説明。保護者負担軽減の観点から、算数セットや彫刻刀セットなどを学校の共用備品として整備する事例があることを承知しているとし、国として必要な地方財政措置を講じていることを明らかにした。
また、地方自治体が運営する外国人向け日本語教室への支援については、ボランティアを含む日本語教育人材の養成研修や地方公共団体に対する支援に取り組んでいると説明。事業申請には中長期的な事業展開を見据えた計画提出を求めているが、今後も事業趣旨を丁寧に説明し、地域の日本語教育環境整備を進めていく意向を示した。