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【全国学力テスト】算数・数学の学力スコアが上昇…経年変化分析

 文部科学省と国立教育政策研究所は2022年3月28日、2021年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、経年変化分析調査の結果を公表した。2016年度との比較・分析では、算数・数学は全体的に学力スコアが高いほうへ移動していることが観察された。

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  • 令和3年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について
 文部科学省と国立教育政策研究所は2022年3月28日、2021年度(令和3年度)全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、経年変化分析調査の結果を公表した。2016年度(平成28年度調査)との比較・分析では、国語は小学校・中学校ともほとんど変化がなく、算数・数学は全体的に学力スコアが高いほうへ移動していることが観察された。

 2021年度全国学力テストは2021年5月27日、小学6年生と中学3年生を対象に国語、算数・数学の2教科で実施し、8月31日に結果を公表している。今回、6月1日~30日に実施した経年変化分析調査の結果と保護者に対する調査の結果速報を公表した。

 経年変化分析調査は、層化集落抽出法によって選ばれた国公私立学校(小学校600校、中学校749校)の小学6年生と中学3年生が対象。国語、算数・数学、英語(中学校)のうち、各対象学校がいずれか1教科を実施した。保護者に対する調査は、本調査および経年変化分析調査を実施した児童生徒の保護者を対象としている。

 経年変化分析では今回初めて、問題の特性と児童生徒の能力を分けて推定する項目反応理論(IRT:Item Response Theory)を用いた精緻な分析を実施。2016年度と2021年度調査の結果を比較・分析したところ、国語については小学校・中学校とも学力スコア分析の状況で変化はほとんど観察されず、全体的には児童生徒の学力の低下や向上といった変化は認められなかった。

 国語の平均スコアは、小学校が2016年度505.8点、2021年度505.8点と変わらず。学力スコアを小さいほうから並べ、全体の50%に位置する児童生徒の学力スコアを示す「中央値」は、2016年度503.4点、2021年度504.3点と、0.9点上昇。中学校の平均スコアは、2016年度508.6点、2021年度511.7点と、3.1点上昇。中央値も2016年度503.5点、2021年度510.0点と、6.5点上昇した。

 算数・数学の平均スコアは、小学校が2016年度502.0点、2021年度507.2点と、5.2点上昇。中央値は、2016年度501.7点、2021年度508.1点と、6.4点上昇。中学校の平均スコアは、2016年度502.0点、2021年度511.0点と、9.0点上昇。中央値も2016年度500.3点、2021年度512.1点と、11.8点上昇した。

 算数・数学については、2021年度の学力スコア分布は、基準である2016年度の学力スコア分布の右側に若干移動。全体的にみて学力スコアが高いほうへ若干移動していることが確認できた。文部科学省は「国全体でみれば、算数・数学について若干学力が向上しているとも解釈しうるが、次回(令和6年度予定)以降の結果もあわせて分析することが必要」としている。

 なお、中学校英語については2021年度が初めての調査であるため、経年の比較分析は次回調査で実施される。今後、経年変化分析調査の結果を活用して、学力の状況変化等をさらに分析する予定。

 一方、保護者に対する調査結果(速報)については、2013年度(平成25年度)と2017年度(平成29年度)に実施した過去の保護者に対する調査結果と比較するには、抽出対象となる母集団の違いや回収率等を考慮した分析が必要と指摘。今後、2022年度(令和4年度)の委託調査研究において、「家庭の社会経済的背景(SES)と学力との関係」「コロナ禍における家庭状況を踏まえた子供の学習環境」「社会経済的に困難な状況にある子供たちのための取組み」という観点から専門家による追加分析を行い、分析結果が明らかになったものから順次公表予定としている。
《奥山直美》

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