全国でクマによる被害が深刻化する中、文部科学省の松本洋平大臣は2025年10月31日の会見で、11月6日に全国の教育委員会などと対策を共有するための緊急連絡会を開催すると明らかにした。10月30日には、児童生徒の安全確保について通知を出している。
クマ出没に対する学校・登下校の安全確保を図るため、文部科学省は10月30日、都道府県・指定都市教育委員会などに向けて通知を発出。環境省作成の「クマ類の出没対応マニュアル」や先進自治体の取組事例などとともに留意点を示し、地域の実情に応じた対策の検討を求めた。
今回、通知の内容を現場に周知し、対策を取ることが重要との考えから、11月6日に緊急連絡会を開くことを決めた。10月31日の会見では、クマ出没に対する児童生徒の安全確保について、ポイントなどを関係者間でしっかり共有し、今後の対策に向けた情報交換を行うとした。
2024年度(令和6年度)「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」において、いじめの重大事態や暴力行為の発生件数、小中学校の不登校児童生徒数が過去最多となり、自殺者数も高い水準にある状況については「極めて憂慮するべき状況が継続している」との認識を示した。そのうえで「学校は児童生徒の皆さんが安心して学べる場所でなければならないが、現在も辛い思いをしている子供たちがいることは文部科学大臣として大変深刻に受け止めており、私自身、最大限の危機感をもって今後取り組んでまいりたい」と語った。
また、高校無償化に関する三党協議の合意の調印式が延期となったことについて、「現場レベルでは合意がなされたということで、議論自体は進んでいるものと承知している」と説明。予算規模が当初の予定より多い6,000億円規模と示されたことに対しては、「令和8年度(2026年度)予算を作り上げていく作業の中で、具体的にそれを形にしたときに数字として次第に明確になってきているということではないか。事業をしっかりと進めていくために必要な予算をしっかり計上し、それを獲得できるように一生懸命頑張っていきたい」と述べた。

    





        
        
        
        