東京都は2025年10月29日、2024年度(令和6年度)における「都内私立学校の児童生徒の問題行動・不登校等の実態」の調査結果を公表した。都内の私立小中高校において、暴力行為や長期欠席者は増加している。
調査は、文部科学省が全国の小学校・中学校・高等学校(全日制・定時制・通信制)・特別支援学校を対象に実施したもの。東京都はこのうち、都内の私立学校分を取りまとめて公表した。
調査対象は、私立小学校53校(児童数2万5,669人)、私立中学校187校(生徒数8万2,697人・休校含む)、私立高校241校(生徒数18万3,698人・休校含む)、私立特別支援学校4校(児童生徒数196人)。
暴力行為の発生件数は、2023年度(令和5年度)に比べて小学校・中学校・高校で増加。内訳は、小学校20校で91件(前年度51件)、中学校68校で329件(前年度194件)、高校65校で185件(前年度106件)。加害生徒を学年別にみると、中学校では1年生が53.9%、高校では1年生が47.3%を占めている。
いじめ認知件数は、小学校30校で664件(前年度447件)、中学校89校で358件(前年度442件)、高等学校72校で234件(前年度173件)、特別支援学校2校で2件(前年度0件)。2023年度と比べ、小学校・高校・特別支援学校で増加し、中学校で減少した。
いじめの態様は、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が793件でもっとも多く、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」357件、「仲間はずれ、集団による無視をされる」332件と続いた。
いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態が発生した学校数は小学校3校、中学校26校、高校9校の計38校。重大事態の発生件数は、小学校5件、中学校34件、高校10件の計49件だった。
長期欠席者数は、小学校505人(前年度459人)、中学校3,311人(前年度3,183人)、高校3,332人(前年度3,192人)。高校の課程別では、全日制が3,326人(前年度3,183人)、定時制6人(前年度9人)。小中高いずれも長期欠席者が増加した。
私立高校における中途退学者数は、全日制2,549人(前年度2,848人)、定時制34人(前年度16人)、通信制307人(前年度221人)、合計2,890人(前年度3,085人)。定時制と通信制で増加した一方、全日制では減少した。
私立小学校・中学校・高校における自殺者数は、小学校0人、中学校1人、高等学校10人だった。

 
    












 
     
         
         
         
        
 
     
           
           
           
           
           
           
           
           
           
          