ユニファが提供する「ルクミー」は、保育園・幼稚園・こども園のさまざまな課題や理想の実現をサポートするICTサービス。「Look at me(私を見て)」を名称の由来とし、テクノロジーの力で保育現場にゆとりをもたらし、子供を「もっと見てあげたい」という保育者の思いに応えるサービスを展開している。
「ルクミーフォト」は、保育園・幼稚園・こども園向けの写真管理・共有・販売システムで、専用アプリで撮影した写真が自動でクラウドにアップロードされ、子供たちのかけがえのない時間を形に残すことができる。顔認識機能を使った「ばらつきチェック」や、保護者への販売機能などもあり、業務効率化に大きく貢献しているという。
実際に導入した保育園では、業務や保育がどのように変化したのだろうか。小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園 園長の平林友梨氏、主任の佐藤美紀氏にその活用方法などを聞いた。
都会の中のアットホームな保育園
--小学館アカデミー飯田橋ガーデン保育園について教えてください。
平林氏:2019年に開園した東京都認可の保育園で、0歳から5歳まであわせて60名のお子さんが通っています。職員はパートも含め20名で、保育時間は朝7時半から最長で午後8時半までです。
都会の中心にあるため園庭はありませんが、近くの公園へお散歩に出かけたり、親子で芋掘り遠足に行ったりして、できるだけ自然に触れる機会をもてるように工夫しています。小学館アカデミーが運営する保育所の中では小規模で、職員は自分のクラス以外の子供たちの顔や名前、性格まで把握しており、アットホームな雰囲気の保育園です。
デジタル化で書類作業の手間が大幅削減
--ルクミーを導入した理由を教えてください。
平林氏:昨年度(2023年度)末から試験的に使い始め、2024年4月に正式に導入しました。社会全体がペーパーレスに移行する中で、全社的に「ICTを積極的に取り入れよう」という流れになったことがルクミーを導入した理由です。当園は、ICT機器の操作に慣れている職員が多いので、意欲的に使いこなせていると思います。
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--ICT機器の操作に慣れている方が多いのは、とても心強いですね。実際に利用された感想をお聞かせください。
佐藤氏:複雑な操作はないので、すぐに慣れることができました。職員だけでは解決できない問題が発生することもありますが、ルクミーは運用サポートがしっかりしているため、その都度、電話で対応をお願いし、すぐに解決できるので助かっています。
--ルクミーをどのような場面で使っていますか。また、導入後にどのような変化がありましたか。
平林氏:園児の登降園の打刻や、保育者が作成する週案・月案・日誌、保護者との連絡帳など、ほとんどの書類をアプリで作成しています。導入前はすべて手書きでしたが、ルクミーの導入により一気にデジタル化が進みました。それにともない、コピー用紙の消費量も減っています。
以前は毎月「給食献立表」「園だより」「クラスだより」に加えて、行事案内などをすべて印刷していましたが、今はルクミーで配信しています。紙の使用量は、導入前の4分の1程度にまで減っていると思います。
とはいえ、登園時にチェックが必要な「体調確認」や、0歳児では5分ごとの記入が求められる「午睡表」は、その都度タブレットを開くよりも紙で管理するほうが当園では効率的なのでアナログで運用しています。アナログとデジタルを併用することで全体の作業時間は大幅に削減されました。
クラウド保存と顔認識で、写真管理が簡単・スムーズに
--ルクミーを使うことで、業務の効率化だけでなく、紙の節約にもつながっているのですね。ルクミーフォトはどのように活用していますか。
佐藤氏:日常的に子供たちのようすを撮影しています。写真はクラウド上にデータ容量無制限で保存できるため、枚数を気にせずに撮影できる点が良いですね。お誕生日会、七夕、夏祭りといったイベントだけでなく、日常の生活や遊んでいるようすも撮影しています。
撮影した写真は、週1回ブログに掲載するほか、保護者にも共有し、期間を設定して販売も行っています。また、保育を記録する書類や園内掲示にも、ルクミーフォトに保存された写真を活用しています。
平林氏:運動会などの大きなイベントでは、ルクミーのカメラマン派遣サービスを利用しています。カメラマンの予約はインターネットから簡単にできますし、当日はプロに撮影を任せられるのでとても助かっています。撮影された写真は普段の写真と同じようにアプリにアップロードされるので、いつもと同じように確認できて非常に便利です。
--ルクミーフォトを使う前は、写真管理・共有をどのように行っていましたか。
平林氏:導入前は、職員がデジカメで撮影していました。デジカメが事務室にあるため、撮影するたびに取りに行き、撮影後に返却するという手間がありました。写真データも、SDカードからPCに移して管理していたので、データの移行や削除でかなりの手間がかかっていました。
導入後は、写真に関する職員の業務が、撮影、不要な写真の削除、販売設定のみになったので、非常に楽になりました。
佐藤氏:以前は撮影した写真をクラスごとに分ける作業も職員が手動で行っていたので、負担が大きかったです。ルクミーフォトでは、カメラを起動してクラスを選択するだけで、アップロード時に自動的にクラス別に分類されます。
さらに、顔認識機能を使った「ばらつきチェック」も便利でよく使っています。園児ごとの写真の枚数をできるだけ均等にするため、以前は、写真を見ながらひとりひとり手作業で数えて確認していましたが、それでも撮影枚数を均等にするのには限界がありました。
「ばらつきチェック」では、事前に園児の顔を登録しておけば、自動で月ごとの写真枚数が集計されます。写っている枚数が少ない園児がいれば、一目でわかり、次回の撮影時に意識的に撮影できるので非常に便利です。
今は、担任にiPadとiPhoneが1台ずつ支給されており、私は園内の撮影にはiPadを、園外のお散歩やイベントの際にはiPhoneを使っています。撮りたいと思った瞬間すぐに撮影でき、その場でアプリにアップロードできるのでとても便利です。子供たちのかわいい表情や頑張っている姿を保護者にご覧いただけるので、気軽に撮影できるのは嬉しいですね。
平林氏:園児が写っている枚数をひとりひとり確認するのは時間と労力がかかる作業だったので、アプリで瞬時に集計されるのは、本当に素晴らしい機能だと思います。
「園でのようすが見られて安心」と保護者にも好評
--保護者からはどのような感想が寄せられていますか。
平林氏:導入直後はアプリの使い方についてご質問をいただくこともありましたが、皆さんすぐに慣れて、活用してくださっています。
写真販売を楽しみにしてくださっている保護者も多く、販売を開始するとその日のうちに購入される方もいらっしゃいます。保護者は子供の園でのようすを見ることができませんので、写真を通じてお友達と関わっている姿や、先生と遊んでいるようすを見られることが、安心につながっているのではないかと感じています。
佐藤氏:お迎えの際に「遊びのときの子供たちの写真がかわいかったです」「子供のいつもと違う表情を見ることができて良かったです」などと感想をいただくこともあります。
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平林氏:顔認識機能は保護者にも便利だと好評です。かつての写真販売では、たくさんある写真の中からご自分のお子さんを探す必要がありましたが、ルクミーフォトでは、顔認識機能により「おすすめ」にお子さんが写っている写真が出てくるので、簡単に見つけられます。
ご家族ごとにIDとパスワードが発行され、登録された関係者以外は閲覧できず、セキュリティがしっかりしている点も安心して使える理由のひとつだと思います。
2024年12月から、ルクミーフォトと写真アプリ「家族アルバム みてね」の写真連携機能が導入され、祖父母など保護者が招待した家族にも写真を共有できるようになるそうなので、きっと喜んでいただけるのではないでしょうか。
業務効率化で生まれたゆとりを子供と向き合う時間に
--ルクミーフォトを今後どのように使っていきたいですか。
平林氏:先ほどお話した「ばらつきチェック」は、園児の写真が時系列で表示されるので、ひとりひとりの園児に対する保育の振返りで活用したいです。今はまだ使い始めたばかりなので、数か月分の写真しか保存されていませんが、今後数年分の写真が蓄積されれば、保育者もさまざまな気付きが得られるようになると考えています。
--ICTを活用し、どのような保育園を目指していきたいですか。
佐藤氏:以前は、大きなイベントの前には作業に追われていましたが、ルクミーを導入したことで、行事に向けて「子供たちにこんなことをしてあげたい」といった保育本来の部分に意識を向けられるようになりました。今後もICT導入のメリットを生かして、子どもたちひとりひとりにしっかり向き合っていきたいです。
平林氏:ICTを導入して、日誌などの作業時間が劇的に短縮できています。以前は事務所に行かないとパソコンでの作業ができませんでしたが、ルクミーを導入してからは、子供たちが昼寝している横でiPadを開いて作業ができるなど、いつでも、どこでも記録やチェックができるようになり、本当に便利になりました。
書類を紙で管理していたころは、量が多く、必要な書類を探すのに時間がかかることもありました。今ではその心配もなくなり、職員の残業も減りました。ICTの活用で労力が確実に減っていることを実感しています。今後もICTを活用した便利な機能があれば、積極的に導入し、そこで生まれたゆとりを保育準備や子供と触れ合う時間に充てていきたいと思います。
--ありがとうございました。
取材での「本当に助かっている」という先生方の言葉に、ICT化が保育現場にもたらす効果を実感した。「業務効率化」という言葉の裏には、「もっと子供たちと向き合いたい」という保育者の願いと、「離れている間の子供の姿を知りたい」という保護者の思いを叶えようとする開発企業の心がある。ICT技術が単なる効率化を超え、温かな保育環境を支えていることを感じた。
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