各自治体においてGIGAスクール構想第2期で使用する端末の検討が始まっている中、Google for Educationは、既存の端末でChromeOSを試験活用できるChromeOS Flexを導入し、端末の入れ替え検討を進めている栃木県壬生町の取組みについて紹介動画を公開した。Google for Educationの公式YouTubeチャンネルから見ることができる。
2020年度からのGIGAスクール構想で配備された学習用端末は、耐用年数の関係から2024年度以降、順次更新を迎える。MM総研の調査によると、GIGAスクール端末の更新需要は、2024年度から2026年度と複数年に分散される見通しとなっており、GIGAスクール構想第2期で使用する端末の検討が各自治体において始まっている。
Google for Educationは、既存の端末のままデバイスを刷新することで最新のChromeOSを試験活用できる「ChromeOS Flex」を導入し、端末の入れ替え検討を進めている栃木県壬生町を取材。ChromeOS Flexを導入したことによる変化について、現場の先生や児童の感想、有識者の解説と共に紹介動画にまとめた。
壬生町では、従来のOSについて、立ち上がりに時間がかかる、授業中に止まる、端末操作に手間取るといった課題を抱えていたという。本来、動作に問題がない10ギガの回線を引いているにも関わらずサクサク動かないという状況に、OSやクラウドに問題があるのではないかとの観点から、端末を買い替えることなくOSの入れ替えができる「ChromeOS Flex」の導入を決めた。
セットアップは予想以上に短時間で簡単に済んだという。今回、壬生町では児童生徒用と教員用端末あわせて100台をセットアップしたが、作業は1時間半で完了。端末購入のコストを抑えられただけでなく、追加でセキュリティソフトを買う必要もなく、常に最新の状態が保てるChromebookになったことでセキュリティ面でも安心感を得ることができた。
導入後、6年生の一番最初の授業に立ち会った壬生北小学校の岸本和子校長は、子供たちの反応に驚きを覚えたという。立ち上げた瞬間、子供たちから「うわー!速い!」「気持ちいい!」「すごい!」とキラキラした表情が見られ、前に比べてスムーズに動く、調べ学習がしやすくなった、スライドまとめが作りやすくなったなど、圧倒的な使いやすさとストレスのなさを実感したようだ。
端末もOSも、これまでの文房具と同じように授業を行うための道具。道具がしっかり使える環境を整えることで、今までと同じ授業時間でも質の高い、学習量の多い授業が実現できるという手応えを感じたという。
信州大学教育学部の佐藤和紀准教授は、壬生北小学校で行ったアンケート結果をもとに、ChromeOS Flexを導入したことによる変化について解説。端末の動作の速さは学びに集中できる安心感につながり、授業変革を後押しするとしている。
GIGAスクール構想第2期で使用する端末検討の参考として活用してほしい。