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生成AI、夏休みの宿題にも注意喚起…都教委が通知

 東京都教育委員会は2023年6月13日、生成AIの取扱いについて都立学校に通知を出した。宿題を課す際は、AIの回答をコピーして提出しないよう注意喚起が必要とし、夏休みの宿題で注意を促す例として、日記や読書感想文、探究活動のレポートや考察などをあげている。

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 東京都教育委員会は2023年6月13日、ChatGPTなど生成AIの取扱いについて都立学校に通知を出した。宿題を課す際は、AIの回答をコピーして提出しないよう注意喚起が必要とし、夏休みの宿題で注意を促す例として、日記や読書感想文、探究活動のレポートや考察などをあげている。

 OpenAIが開発したAIチャットサービス「ChatGPT」をはじめ、生成AIは社会のさまざまな場面で急速に普及が進んでいる。学校現場における生成AIの取扱いをめぐっては、文部科学省が夏前をめどにガイドラインとして取りまとめる考えを明らかにしている。

 東京都教育委員会では今回、児童生徒に対する情報活用能力育成の観点から、都立学校のすべての教師が生成AIについて知ることができるよう資料を作成。都立学校に通知した。資料では、質問に対して自然な言語で回答を導き出す生成AIの仕組みや特徴を説明。個人情報流出や著作権侵害などの一般的な留意点に加え、教育活動での活用や留意点もまとめている。

 教育活動における留意点では、ChatGPTなどの生成AIは、人間が書いたかのような文章を作成でき、感想文や課題に対する考察などでは、AIが書いた文章と人間が書いた文章を見分けることは困難であると指摘。学校教育では、正解を求めるだけでなく、児童生徒が自ら考える力を育成することが重要となるため、宿題を課す際は、AIの回答をコピーして提出しないよう注意喚起することも必要になるとしている。

 課題を課す際の工夫には、「授業中に教師が説明した内容を踏まえて書くよう指示する」などを例示。夏休みの宿題などで、AIの回答をコピーして提出しないよう注意を促す例には、日記や読書感想文、プログラミングやアプリのコード、探究活動のレポートや考察、校内コンテスト用ポスター(画像生成AI)をあげている。

 東京都教育委員会では、文部科学省などが公表する各種ガイドラインを含め、生成AIに関する情報を今後も継続的に提供するとしている。

《奥山直美》

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