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生成AI「ブラウザ要約」、小中学生の約4割が教師の指示なく利用

 小中学校教員の多くが生成AIを推奨しない一方で、児童生徒が、検索結果の上部に自動表示される「ブラウザAI要約」を安易に転用するなど、指導外のシャドー利用が広がっていることがわかった。

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調べ学習におけるAI利用
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 小中学校教員の多くが生成AIを推奨しない一方で、児童生徒が、検索結果の上部に自動表示される「ブラウザAI要約」を安易に転用するなど、指導外のシャドー利用が広がっていることがわかった。詳細な調査結果は2025年12月27日発行の「月刊先端教育」2026年2月号に掲載している。

 社会構想大学院大学の中川哲教授と上越教育大学大学院の榊原範久教授の研究チームは、生成AIの教育利用に関する実態調査を実施し、小中学校現場における「ブラウザAI要約」の利用実態を明らかにした。

 調査は2025年10月下旬から11月下旬にかけて、関東・近畿・北陸の複数自治体の小学校・中学校・義務教育学校の教員1,090名を対象に、Googleフォームによる4件法で実施。特に、検索結果に統合される形で自動表示される「ブラウザAI要約」に注目し、その利用状況・指導体制・学習への影響について、教育現場における実態と課題を把握することを目的に実施している。

 調査によると、ブラウザ検索を調べ学習に活用したと回答した教員は71.5%(779名)に達した。一方、ブラウザAI要約を推奨したと回答した教員は10.1%(85名)にとどまった。

 子供が教師の指示なくブラウザAI要約を使用(自主利用)していると回答した教員は38.5%(300名)。学校種別では、小学校33.0%、中学校51.3%、義務教育学校36.4%となっている。また、子供が要約内容をそのまま用いると回答した教員は38.6%(301名)にのぼった。

 対話型生成AI要約を推奨したと回答した教員は8.7%(69名)。子供が教師の指示なく使用(自主利用)していると回答した教員は18.2%(142名)で、学校種別では小学校11.3%、中学校34.7%、義務教育学校28.6%。子供が要約内容をそのまま用いると回答した教員は21.6%(168名)だった。

 ブラウザAI要約の自主利用率は、対話型生成AIの約2倍にのぼる点が特に注目される。

 調査結果から、教員の多くが生成AIの利用を「推奨しない」とする一方、現場ではシャドー利用(教師の指導外での使用)が広がっており、方針と実態に大きな乖離が発生していることが明らかになった。ブラウザAI要約は、検索結果の上部に自動表示されるため、子供が「検索→AI要約を結論として丸写し」する傾向があり、本来必要な比較・吟味・情報整理のプロセスが省略される懸念が浮上。特に中学校では、自主性の高まりや提出物へのプレッシャーが複合的に作用し、無批判な情報受容=「浅い学び」につながるリスクが高まっているという。

 研究チームは、生成AIを学習に活用しつつ、思考を深めるための具体策として次の3点を提案している。
(1)生成AIが要約した情報の一次情報源へさかのぼる工程を記録する
(2)参照・引用個所、比較した観点を提出物に含める
(3)AIの出力を結論ではなく、参考の1つとして扱う姿勢の育成

 調査の全文は、「月刊先端教育 2026年2月号」(2025年12月27日発売)にて掲載されている。

《吹野准》

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