経済産業省は2026年1月27日、「2040年の就業構造推計(改訂版)について」を公表した。将来の人口動態や産業構造転換、AI・ロボットの活用進展などを前提に、2040年時点の労働需要と労働供給を推計したもの。全体的な就業者不足は生じず、職種・学歴・地域間での需給ミスマッチが生じるリスクを示している。
改訂版の推計によると、十分な国内投資や産業構造転換が実現すると前提した場合、就業者数は2022年の約6,700万人から2040年には約6,300万人へ減少する見込み。同時に、AI・ロボットなどの利活用やリスキリングによる労働需要の効率化が進むため、全体として大きな人手不足は生じないとした。ただし、職種や学歴、地域別には需給ミスマッチが顕在化する可能性があると示唆している。
職種別では、AI・ロボット等利活用人材で約340万人、専門職で約180万人、現場人材で約260万人の不足が見込まれる。産業構造の高度化が雇用構造に反映されることで、とくに製造業や卸売業・小売業で専門職、AI・ロボット等利活用人材の大きな不足が起こる可能性がある。一方、AI・ロボット等利活用による省力化にともない、事務職では約440万人の余剰が生じる可能性が示された。
学歴別では、専門職を中心に、大卒・院卒の理系人材で約120万人の不足が見込まれる一方、大卒・院卒の文系人材では約80万人の余剰が生じる可能性がある。高卒普通科も約30万人の余剰とされる一方で、高卒工業科や高専卒には不足が生じると試算された。経産省は、理工系人材の拡大に向けた抜本的な対応が必要だとして、大学・高校段階での理系転換や文理融合、産学連携の強化、産業界のスキル需要の可視化といった取組みの促進の必要性を指摘している。
地域別では、東京圏(1都3県)で職種全体的に余剰となり、その多くを事務職が占めている。一方、AI・ロボット等利活用人材を含む専門職は、東京圏を除く全地域で不足する見通し。大卒・院卒理系については、東京圏も含めてすべての地域で大幅な不足が見込まれる。地方では製造現場やエッセンシャル産業を支える現場人材の不足が顕著とされ、専門高校や専修学校、短期大学などによる人材育成強化と社会人のリスキリングが課題にあげられた。
また、生成AIやロボットの進展が加速した場合、事務職や一部の現場型職種では代替がさらに進む可能性がある。一方で、対人業務型職種では補完的活用による生産性向上が見込まれると分析。あらゆる教育段階でAI・ロボットと協働できる人材育成が求められるとした。なお、今回公表された推計は、数値精査中の暫定版としている。











