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学校の働き方改革、時間外労働は減少傾向…東京都

 東京都教育委員会は2022年2月17日、2021年度(令和3年度)の学校における働き方改革について取組状況等を取りまとめ、公表した。2021年度は、都立学校・公立小中学校共に、多少の増減はあるものの、総じて時間外労働は減少傾向にあった。

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令和3年度(2021年度)の学校における働き方改革について
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 東京都教育委員会は2022年2月17日、2021年度(令和3年度)の学校における働き方改革について取組状況等を取りまとめ、公表した。2021年度は、都立学校・公立小中学校共に、多少の増減はあるものの、総じて時間外労働は減少傾向にあった。

 東京都教育委員会では、2018年2月に「学校における働き方改革推進プラン」を策定し、教員の長時間労働の改善に向け、多様な取組みを総合的に推進している。今回、2021年度の取組状況や2022年度の取組み等をまとめた。

 教員の1か月あたりの時間外労働(校外における時間外労働時間を含む)の状況をカードシステムデータにより、2020年10月と2021年10月で比較したところ、都立高校の教諭等(主幹教諭・指導教諭・主任教諭を含む)では、45時間以下の割合が6.3ポイント増加した一方で、45時間超の割合は6.3ポイント減少。副校長も、45時間以下の割合は6.4ポイント増加したが、45時間超の割合は6.4ポイント減少。1か月の時間外労働としては、副校長・教諭等共に短くなったといえる。

 都内公立小・中学校では、小学校・中学校ともに45時間以下の教諭等(主幹教諭・指導教諭・主任教諭を含む)の割合が10ポイント程度増加したものの、45時間超の割合は小学校で10.5ポイント、中学校で9.3ポイントともに減少。副校長は、小学校で45時間以下が9.8ポイントと大きく増加したが、中学校は1.8ポイントの増加にとどまった。

 2021年度は、従来の教務主任等に加え、学年主任や特色ある教育活動等を担う教員についても授業時数を軽減する取組みを都立学校424校で実施した他、東京学校支援機構(TEPRO)による人材バンク、学校法律相談デスク、学校施設維持管理業務等の事業を展開。

 その他、都内公立中学校や都立学校には、部活動の実技指導や学校外での活動の引率を行う部活動指導員を配置しており、2021年度は38地区607人を補助対象に決定。都立学校では179校に808人を配置し、教員の部活動指導時間を縮減した。

 学習プリントの印刷や教員の授業準備をサポートするスクール・サポート・スタッフは、2021年度は都内公立小・中学校54地区1,803人を補助対象に決定。小学校では、授業や休み時間に児童に対しきめ細やかなサポートを行う、学校生活支援型スクール・サポート・スタッフの配置支援を2地区で実施した。

 また、副校長を直接補佐する会計年度任用職員を配置し、会計年度任用職員が行政機関からの調査対応や教職員の服務管理、来客対応等の業務を都立学校46校・小中学校569校において実施。それにともない副校長の在校等時間が、小学校では1週間のうち7時間1分、中学校で3時間36分、高等学校で7時間39分それぞれ減縮した。

 区市町村における働き方改革の取組状況においては、2022年1月末現在、在校等時間の把握状況は「カードシステム等による客観的に把握」が58地区、「2022年度以降カードシステム導入予定」が3地区、「校長等の現認や自己申告等により把握」が1地区。校務支援システムについては、「導入済み」54地区、「未導入」8地区であった。

 2022年度から、新規・拡充するおもな取組みについては、都立学校では、統合型校務支援システムの稼働の順次拡充と庶務事務システムの開発と稼働を実施。小学校では3・4年生の外国語活動に加え、全学年の体育を指導できる外部人材の配置支援を600学級まで拡充し、1地区で1~3年生の副担任相当の業務を担う外部人材の活用支援を実施する。

 また、都内公立学校共通の取組みについては、学年主任、特色ある教育活動等を担う教員の授業時数の軽減を都立学校全校、小・中学校884校に拡充する他、副校長を補佐する学校マネジメント強化事業を都立学校134校、小・中学校894校に拡充し、本格実施する。
《川端珠紀》

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