学習塾の経営者が強いられている激しい競争と、少子化の影響により、学習塾の倒産が2025年1月から9月にかけて過去最多のペースで増えていることが帝国データバンクの調査で明らかになった。倒産件数は37件にのぼり、2024年の過去最多記録を大幅に超える可能性が高いという。
少子化が進行する中、特に東京都などの都市部では生徒の獲得競争が激化し、中小業者が倒産する事例が増加している。集計では、負債額1億円未満の倒産が主流であり、負債額が1億円を超えるのは限られたケースだが、大学受験予備校「ニチガク」の例に見られるような大型倒産も発生している。
都市部での倒産増加の背景には、少子化による6歳から18歳の子供の人口減少があり、厳しい競争環境に直面する。さらに、コロナ禍以降に普及したオンライン授業や学習用スマートフォンアプリに特化した新興勢力が台頭しているため、既存の学習塾はデジタル設備への投資を行う必要が生じているが、それが借入金の増加を招くケースもある。
今後、首都圏を中心に学習塾の競争がより激しくなると予想される。特に大手がひしめく大都市圏では、資本力に乏しい事業者が収益を上げることは難しく、今後さらに倒産が続く見込みだ。一方、地方の学習塾は、地域に根ざした地盤があり、持続可能な経営を維持できる可能性があるが、人手不足により講師の確保が課題となっている。