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東京都体力テスト、全学年男女で体力低下…スマホ利用増

 東京都教育委員会は2022年2月3日、2021年度東京都統一体力テストの結果を公表した。コロナ禍において、体力合計点はほぼ全学年男女ともに低下し、スクリーンタイム(携帯電話等の使用時間)は前回の2019年度調査と比較して顕著に増えていた。

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令和3年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について
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 東京都教育委員会は2022年2月3日、2021年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査(東京都統一体力テスト)の結果を公表した。コロナ禍において、体力合計点はほぼ全学年男女ともに低下し、スクリーンタイム(携帯電話等の使用時間)は前回の2019年度調査と比較して顕著に増えていた。

 東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査(東京都統一体力テスト)は2021年6月、東京都内の公立学校(小学校、中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校)計2,185校の児童・生徒94万1,403人を対象に実施した。調査内容は、児童・生徒に対する体力・運動能力調査と生活・運動習慣等の実態に関する質問紙調査、学校に対する質問紙調査。

 体力合計点は、小学校1年生女子、高校3年生女子で横ばいとなった以外、全学年で男女共に低下した。もっとも大きく低下したのは、男子は高校1年生のマイナス1.7点、女子は中学2年生のマイナス1.9点。動きを継続する能力(持久走)は、前回の2019年度調査と比較して低下の傾向がみられた。一方、体の柔らかさは2019年度調査と比較して向上の傾向にあった。

 生活習慣については、スクリーンタイム(携帯電話等の使用時間)が2019年度と比較して顕著に増加。学習以外のスクリーンタイムは、全学年男女ともに「3時間以上」が増えている。スクリーンタイムや朝食の欠食は、学年が進むにつれて増加する傾向にあった。

 体力と運動時間の相関について、体力合計点は運動・スポーツの実施頻度・時間が多いほど高かった。体力と生活習慣の相関では、スクリーンタイムが3時間以上では、体力合計点が低くなる傾向がみられた。

 また、体力の総合評価(A~E)がDE層の児童生徒の生活習慣は、「運動部や地域スポーツクラブに所属していない」「運動実施頻度が少なく、実施時間も短い」「朝食欠食率がやや高い」「睡眠時間は小学生で短く、中高生では2極化(8時間以上と6時間未満がやや多い)」「テレビ視聴時間が長い」「1日のスマートフォン等の使用時間が長い」という特徴があった。

 コロナ禍による1年半の自粛生活の影響もあり、特に小中学校期の「運動・スポーツ実施状況」「1日の運動・スポーツ実施時間」は悪化しており、東京都教育委員会では学校や家庭での積極的な取組みがこれまで以上に大切になると考察。今後の取組みの方向性として「個に応じて、運動・スポーツの多様な楽しみ方を学ぶことができる体育の授業を実施する」「スポーツの関係団体等と連携し、運動習慣が定着する取組みを推進する」等をあげている。
《奥山直美》

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