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障害ある学生は5万5,510人…最多は「精神障害」2万人弱

 日本学生支援機構(JASSO)は2025年8月8日、2024年度大学・短期大学・高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2024年5月1日現在の障害学生数は、前年度より2,631人少ない5万5,510人。

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障害学生数と障害学生在籍率
  • 障害学生数と障害学生在籍率
  • 障害種別の障害学生数
  • 令和6年度調査における障害区分と定義

 日本学生支援機構(JASSO)は2025年8月8日、2024年度(令和6年度)大学・短期大学・高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査の結果を発表した。2024年5月1日現在の障害学生数は、前年度より2,631人少ない5万5,510人。障害種別では「精神障害」が1万9,440人で最多となっている。

 障害のある学生の修学支援に関する実態調査は、全国の大学等における障害のある学生の在籍状況や障害支援の取組状況を把握し、障害のある学生の修学支援の一層の充実や、今後の支援方策の検討に資することを目的に実施している悉皆調査。

 調査対象は大学、短期大学、高等専門学校に在籍する学生で、科目等履修生、聴講生、研究生は含まない。調査期日は2024年5月1日現在。全学校数1,169校から回答を得た(回答率100%)。調査における障害学生は、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を有している学生または医師の診断、健康診断などで障害があることが明らかになった学生を指す。

 2024年5月1日現在の障害学生数は、前年度比2,631人減の5万5,510人。全学生に占める障害学生の在籍率は1.71%で、前年度より0.08ポイント減少した。なお、2024年度調査より、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の改正を踏まえて、調査の内容を大幅に見直している。これにより、基本用語の定義、障害種の区分、その他調査項目の一部が変更されていることから、2024年度の結果は2023年度の結果と単純に比較することができない点に留意が必要。

 設置者別の障害学生数は、「国立」1万3,081人、「公立」3,609人、「私立」3万8,820人。前年度と比較すると、私立で3,322人減、公立で200人減、国立で891人増となっている。

 障害学生数を障害種別でみると、「精神障害」1万9,440人(35.0%)がもっとも多い。ついで、「発達障害」1万1,923人(21.5%)、「病弱」1万173人(18.3%)の順に多い。「発達障害」「精神障害」「知的障害」および「重複障害(発達と精神)」をあわせると、全障害学生数の62.0%を占めており、こうした発達障害や精神障害などに分類される学生数は、年々増加傾向にある。

 障害学生が在籍している学校は全体で1,042校、全学校数に占める割合は89.1%にのぼる。障害学生5万5,510人のうち、支援を受けている「支援障害学生」の総数は3万7,173人で、前年度より5,171人増加。

 また、2024年度調査より新設された「合理的配慮提供学生」の総計は2万7,003人となっている。合理的配慮提供学生とは、支援障害学生のうち当該支援障害学生からの申出に基づいて大学等が合理的配慮を提供する対象としている学生。障害者差別解消法の改正を踏まえて、より厳密に同法が義務付ける合理的配慮の対象となる学生を把握することを目的に、新たな類型として調査項目に追加された。

 全学校数に占める、支援障害学生の在籍率は1.15%、支援率は67.0%。同じく合理的配慮提供学生の在籍率は0.83%、合理的配慮提供率は48.6%であった。

 2024年度の障害のある学生の修学支援に関する実態調査は、JASSOのWebサイトから全文閲覧することができる。

《畑山望》

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