エジプト・アラブ共和国の教育・技術教育省(以下「エジプト教育省」)は2025年8月19日、数学およびICT・プログラミング教育分野におけるカリキュラム・教材の共同開発ならびに全国規模での学力評価導入に関する協力覚書をスプリックスと、数学教育の向上に向けた覚書をカシオ計算機と、それぞれ締結した。
エジプト教育省のモハメド・アハメド・アブデル・ティーフ大臣は2025年8月19日、数学およびICT・プログラミング教育分野におけるカリキュラム・教材の共同開発ならびに全国規模での学力評価導入に関する協力覚書(Memorandum of Understanding、以下「MOU」)をスプリックスと締結した。
同MOUは、2025年4月にエジプト・カイロにおいて両者間で署名された基本意向書(Letter of Intent、以下「LOI」)を基礎としており、これまでの協議および準備を経て、連携を具体的かつ実行段階に移すもの。スプリックスは、基礎学力の国際的測定を目的とした「TOFAS(Test of Fundamental Academic Skills)」を通じて、エジプト国内約1万4,000校・約100万人の生徒に試験を実施し、その成果が高く評価されてきたという。この実績を踏まえ、両者はより包括的かつ持続的な教育改革の推進に合意した。同取組みは、日本の優れた教育コンテンツの国際展開・輸出の一環でもあり、エジプトにおける教育の質向上と制度改革に貢献することを目的としている。
また、同日、カシオ計算機と、エジプトでの数学教育事業において、新カリキュラムにおける公立中学校での関数電卓の効果的活用を通じ、数学教育の発展に向けて協業することを合意し、覚書を締結した。
エジプトでは、2016年に持続的開発戦略「エジプトビジョン2030」を掲げ、教育環境の変革を目指しているという。同社はこのエジプトビジョン2030に掲げられた教育改革の大きな流れに貢献すべく、エジプト教育・技術教育省との覚書締結により、カイロ県内の公立中学校8校、計31名の教師に対して関数電卓を活用したトレーニングを実施する。数学教師の専門能力開発に焦点を当て、ツールを効果的に授業に取り入れるためのノウハウや教材の提供を目的に、共同のトレーニングプログラムや探究型の指導を前提に実生活の問題に関数電卓の活用を取り入れた教材を独自に開発する予定だという。
同社は教育・技術教育省が一体となり、現地の教育関係者と共に教師トレーニングや教材開発を進めることで、生徒の思考力や主体的な学習態度を育むエジプトの数学教育の発展に貢献していくとしている。