北海道教育委員会は毎年、今後3年間の具体的な高校配置計画を示した計画案を公表している。2026年度は芦別など3校を地域連携校とするほか、ニセコ国際高校を新設。2027年度は北見商業などで学級数減、2028年度は釧路商業と釧路明輝の再編統合などを計画している。
高校配置計画は中学生の進路選択に十分な検討時間を確保するため、毎年度3年間の具体的な高校配置計画とその後4年間の見通しを示したもの。北海道教育委員会では教育水準の維持向上などを図る観点から、地域の実情などを考慮し、定員調整や再編整備などを行うとともに、多様なタイプの高校づくりを推進している。
6月3日に公表された計画案によると、北海道内の中学校卒業者数は2026年に3万9,837人、2027年に3万9,075人、2028年に3万8,037人となる見込みで、その後も総じて減少傾向と推計。そのため全日制公立高校の定員は、2026年度2万8,716人から3年間で640人減らし、2028年度2万8,076人とする。
学級減となるのは、2026年度が函館水産1校、2027年度が北見商業と釧路江南の2校、2028年度が小樽桜陽、苫小牧西、函館西、旭川工業、帯広緑陽、芽室の6校。いずれも1学級減の予定。なお、北見商業では学級減にともない商業科と情報処理科を情報会計科に学科転換する。
再編統合は、2027年度と2028年度に計画。2027年度は市立札幌藻岩と市立札幌啓北商業を統合し、新たな校舎を建設し8学級を設置する。新設校では単位制の導入も検討中。2028年度は釧路商業と釧路明輝を統合し、釧路明輝高校校舎を使用して5学級を設置する。
募集停止は4校。2026年度が奈井江商業とニセコ(定時制)、2027年度が南茅部、2028年度が美瑛で募集を停止する。
一方、ニセコ高校校舎を使用して2026年度に大学進学が可能な全日制の新しい高校が設置される。現ニセコ高校の本谷学校長の発表によると、新設校の学校名は、国際教育を推進することを表現できる「ニセコ国際高等学校」で、募集人員は70人を予定しているという。全世界・全国から生徒を募集するため、寮を完備。また京都大学や神戸大学、海外の大学と高大連携を予定しているほか、Googleと企業連携する。2026年度の推薦入試では募集人員の50%(35名)程度を募集、一般入試で推薦内定者数を除いた数を募集する。北海道外からの入学枠は募集人員の30%(21名)程度だという。