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埼玉県と埼玉県教委、学校職員勧奨退職制度の廃止を表明

 埼玉県と埼玉県教育委員会は2025年度から、自ら早期退職を願い出た人に退職金を割り増ししてきた「学校職員勧奨退職制度」を原則行わない方針を固めた。県は人手不足の中で勧奨を行う状況ではないことを理由に、年度途中での廃止を決めたという。

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  • 学校職員勧奨退職取扱要綱(一部)

 埼玉県と埼玉県教育委員会は2025年度から、自ら早期退職を願い出た人に退職金を割り増ししてきた「学校職員勧奨退職制度」を原則行わない方針を固めた。県は人手不足の中で勧奨を行う状況ではないことを理由に、年度途中での廃止を決めたという。

 学校職員勧奨退職制度は、年齢45歳以上かつ勤続20年以上の者に対して、退職の勧奨を行うことができる制度。1984年(昭和59年度)末の退職者から現在の学校職員勧奨退職取扱要綱を適用し、例年、全退職者の1割程度がこの制度を利用して早期退職している。

 埼玉高等学校教職員組合では、「年度途中で廃止するのは認められない」とこれまで反対の立場で協議してきたが、県教委は8月20日に行われた人事に関する校長会で、2025年度から退職の勧奨は原則行わない方針を表明した。ただし、勧奨退職制度を廃止するものではなく、退職を願い出た者の中で、同制度の趣旨に沿う場合には柔軟に対応するという。学校職員勧奨退職取扱要綱第2の「教育長が定める期日」は、2025年12月8日としている。

 埼玉高等学校教職員組合は8月29日に発行した第700号「埼玉高教組ニュース」で、「寝耳に水の『勧奨退職』の廃止」との見出しを掲載。この制度は「給与の高い人に早めに辞めてもらうことで総人件費を圧縮し、若い人を雇うのが目的の制度」であり、「勧奨の平均年齢は52歳、退職手当上乗せ分は460万円、総計5億4,000万程度」などと、勧奨退職制度の廃止について伝えている。また、勧奨退職を検討する場合は、県教委と交渉するため、同組合まで相談するよう促している。

《川端珠紀》

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