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低年齢層のコロナ対策、学校行事や部活動…国立感染研が提言

 低年齢層の新型コロナ感染が増えていることを受け、国立感染症研究所は2021年8月25日、厚生労働省の専門家組織において、保育・教育関係者に向けた感染対策を提言した。感染リスクが高い学校イベントの延期や中止の検討、部活動の感染対策強化等を提案している。

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対策に関するおもな項目
  • 対策に関するおもな項目
  • 代表的な所見
  • 共通する対策に関する提案
 低年齢層の新型コロナウイルス感染が増えていることを受け、国立感染症研究所は2021年8月25日、厚生労働省の専門家組織において、保育・教育関係者に向けた感染対策を提言した。感染リスクが高い学校イベントの延期や中止の検討、部活動の感染対策強化等を提案している。

 医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な事項について、厚生労働省に対し必要な助言等を行う「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の第49回会合が8月25日に開かれ、国立感染症研究所実地疫学研究センターが8月20日時点の情報として、乳幼児から大学生までの保育施設・教育機関関係者に向けて代表的な所見を示し、対策を提案した。

 関係者については、保育所、放課後児童クラブ、認定こども園、幼稚園、放課後デイサービス、特別支援学校、小中高校、学習塾、大学等の代表者や養護教諭、園医・校医等を想定している。

 デルタ株を念頭にしたクラスターに共通する代表的な所見については、「保育所・幼稚園において、これまで保育士・教員における感染の検出が主であったが、園児の感染例が増加」「特に小学生を中心とする授業の場で、教職員を発端とした、比較的規模の大きなクラスターが複数発生」「小学校において、児童を端緒とした、同じクラス内等の規模の小さな感染伝播は多く見受けられたが、児童間の感染伝播が規模の大きなクラスターに至ったケースは確認できなかった」「学習塾における比較的規模の大きなクラスターが散見される」等が提示された。

 共通する対策については、ICT等の活用推進、教職員の感染予防法の習熟等を提示。具体的には「教室、通学バス、職員室等における良好な換気の徹底に努める」「人の密集が過度になるリスクが高いイベント(文化祭、学園祭、体育祭等)においては延期や中止を検討し、感染リスクの低い、あるいはリスクを低減できると考えられたイベントについては事前の対策を十分に行う」「塾では児童・生徒・学生・講師等の体調管理を徹底したうえで、密にならない工夫とともに換気の徹底、リモート授業の活用も検討することが推奨される」「教職員は、健康上等の明確な理由がなければ、新型コロナワクチン接種を積極的に受ける」等をあげている。

 部活動については「日々の体調の把握や行動管理への注意を基本とした活動を行う一方で、やむを得ず県境をまたいだ遠征が必要な場合には、2週間前から引率者、児童・生徒における注意事項の遵守を強化し、出発前3日以内(できるだけ出発当日)をめどに、抗原定量検査あるいはPCR検査を受ける」ことを提案している。
《奥山直美》

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