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環境教育、6割が意識や行動に変化…課題は「授業時間の確保」

 環境省は2021年5月10日、2020年度環境教育等促進法基本方針の実施状況調査の結果を公表した。学校で環境教育を行う際の課題は「授業時間の確保が難しい」が半数近くを占め、「新しい生活様式」を踏まえた新たな課題には「感染拡大防止策の徹底」等があげられた。

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これまでの学びによって環境や社会の問題に対する意識や行動に変化があったと思うか
  • これまでの学びによって環境や社会の問題に対する意識や行動に変化があったと思うか
  • 環境教育を行うにあたり活用しているもの
  • 環境教育に取り組む際に地域・NPO・企業等との協力・連携はあるか
  • 授業や学校活動で環境教育を行う際の課題
  • 新型コロナウイルス感染拡大により「新しい生活様式」を踏まえた環境教育を実施するうえでの新たな課題
  • 新学習指導要領にESD(持続可能な開発のための教育)が位置付けられていることを知っているか
  • 環境や社会に関することを学んだ場
  • 環境や社会に関することを学んだ場(年齢によるクロス集計)
 環境省は2021年5月10日、2020年度環境教育等促進法基本方針の実施状況調査の結果を公表した。学校で環境教育を行う際の課題は「授業時間の確保が難しい」が半数近くを占め、「新しい生活様式」を踏まえた新たな課題には「感染拡大防止策の徹底」「オンライン技術」等があげられた。

 2018年に閣議決定した環境教育等促進法基本方針は、「各種施策の改善に向けて国民各界各層の意見を聴きながら検討を行うこと」とし、その検討にあたっては国民の環境保全に対する意識、環境教育の影響等に関して、現状や課題等を把握することが必要とされている。そのため、環境教育実施後の国民の環境保全への意欲の変化、社会の変化の中で生じつつある環境教育の新たな課題等の状況を把握するため調査を行った。

 調査は、一般国民向けと教職員等教育関係者向けの2種類。一般国民向け調査は3月3日~4日、全国の18歳以上の男女2,075人、教職員等教育関係者向け調査は3月4日~5日、全国の教職員等教育関係者1,000人を対象に実施した。教職員等教育関係者調査では、回答者の半数以上を学校教員とし、地域や小学校・中学校・高等学校についてもバランスよく抽出した。

 教職員等教育関係者調査によると、環境教育を行うにあたり活用しているものは、「教科書」50.8%、「インターネット上の映像資料」39.5%、「新聞記事」30.9%、「副読本」28.4%、「インターネットでの検索結果」28.1%の順に多かった。

 「環境教育に取り組む際に地域・NPO・企業等との協力・連携はあるか」との質問に対しては、「協力・連携はない」が47.2%と最多。「継続的に協力・連携して環境教育を行っている」は7.6%、「単発的ではあるが協力・連携して環境教育を行っている」は12.1%、「情報提供のみ受けている」は4.7%であった。

 授業や学校活動で環境教育を行う際の課題は、「授業時間の確保が難しい」が42.9%と半数近くを占めた。「適切な教材やプログラム等の準備ができない」(27.9%)や「カリキュラムマネジメントが難しい」(27.7%)という回答も多かった。

 新型コロナウイルス感染拡大による「新しい生活様式」を踏まえた環境教育を実施するうえでの新たな課題には、「感染拡大防止策の徹底」39.5%、「オンラインの技術が不足している」31.0%、「環境教育に割ける時間がない」25.7%、「オンラインでも実施可能な教材・プログラムが不足している」24.0%、「外部講師を呼ぶことができない」23.6%、「対面の授業・プログラムが実施できない」23.1%等があげられた。

 新学習指導要領にESD(持続可能な開発のための教育)が位置付けられていることについては、「位置付けられているのは知っているが、きちんと読んだことがない」が39.2%ともっとも多かった。「指導要領の該当場所を読んだことがある」は22.4%、「指導要領の該当場所を読んで、授業に取り入れたことがある」は12.1%。「知らなかった」という回答も26.3%あった。

 SDGs(持続可能な開発目標)で設定されている17の目標のうち、教育を行ったことがある内容は、「ジェンダー平等を実現しよう」27.8%、「海の豊かさを守ろう」21.6%、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」21.3%の順に多かった。「行ったことがない」は27.0%だった。

 一方、一般国民向け調査によると、環境や社会に関することを学んだ場は、「学校の授業」が57.4%ともっとも多く、「Webサイト等のメディア、新聞、テレビ」50.0%と続いた。「学校の授業」をあげた人は29歳以下が84.7%、30歳~39歳が77.8%と高かったのに対し、50歳~59歳は35.2%、60歳以上は19.2%と高齢になるほど低い傾向もみられた。

 学びによって環境や社会の問題に対する意識や行動に変化があったかについては、「意識の変化があった」32.8%、「意識だけでなく行動にも変化があった」26.9%。全体の6割が、学びによって変化があったと答えた。

 「自身の経験を踏まえて、いつ環境に関する学びの機会があれば良いと思うか」との問いでは、「常にいつでも」が31.1%ともっとも多く、「小学校のとき」28.0%、「中学校のとき」18.0%、「特にいつが良いということはない」17.4%、「幼少期の物心のつく前」12.2%と続いた。
《奥山直美》

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