東京都は2025年4月4日、2025年度「東京都と大学との共同事業」の実施事業者を発表した。応募のあった18事業のうち、東京藝術大学(共同事業者:東京大学)、順天堂大学(共同事業者:青山学院大学、帝京大学)、電気通信大学(共同事業者:東京農工大学、東京外国語大学、帝京大学)の3事業を決定した。
「東京都と大学との共同事業」は、大学との定例懇談会に参加する大学の知見を生かし、東京都との政策連携や大学間の連携強化により、東京の持続的発展やSDGsの推進に結び付けるための取組み。大学との定例懇談会は、東京都や都内の大学が、今後の政策連携を視野に恒常的なコミュニケーションの場を形成し、東京の課題解決や東京の未来、国際競争力の向上などについて自由に意見交換を行うことを目的に2018年に設置された。
2025年度は、「2050東京戦略 東京 もっとよくなる」に掲げる2050年代の東京の姿の実現をテーマに募集。応募のあった18事業のうち、東京藝術大学・東京大学「地域における『場』の創出 藝大×東大ベンチプロジェクト」、順天堂大学・青山学院大学・帝京大学「性自認・性的指向に関わらず、安心して受診できる医療環境の構築」、電気通信大学・東京農工大学、東京外国語大学、帝京大学「遊休温室を活用した地域産業創出プロジェクト 大島の資源を次世代へ」の3事業を決定した。
このうち、藝大×東大ベンチプロジェクトでは、地域における「場」を創出する。谷根千エリアを中心に、ベンチをキーワードにオープンレクチャーやワークショップなどのイベントを企画し、継続的なコミュニティ活動や連携を促進。芸術を通じて、現代社会の地域における「場」作りに挑戦するという。
各事業の実施期間は、2026年3月末まで。事業の研究成果は都民に還元するものとし、東京都は600万円を上限に事業費を支援する。