文部科学省は2026年3月11日、大学病院機能強化推進事業(経営環境の改善に資する教育研究基盤の充実)の選定結果を発表した。78件の申請のうち、77件の事業を選定。東京大学は、医学部・附属病院の教員が収賄罪で逮捕・起訴された事案を踏まえ、選定されなかった。
大学病院は、高度医療の提供や医師の養成・輩出など、他の医療機関にはない重要な役割を果たしているが、昨今の物価高騰などの影響を受け、機能の低下、地域医療の崩壊など、社会全体に影響を与えかねない事態にある。同事業は、各大学が策定している大学病院改革プランなどを踏まえ、病院運営の構造転換に必要となる、大学病院の教育研究基盤を充実させる取組みを支援することが目的。
今回、医学部を置く国公私立大学を対象に公募し、78件の申請があった。大学病院機能強化推進事業選定委員会が、大学病院の改革ビジョン、事業の実施体制、都道府県等自治体との連携体制、医療設備の具体的な活用方法に関する計画などについて書面審査、合議審査を経て、77件の事業を選定した。審査結果を交付額に適切に反映する観点から、選定された取組みの審査結果に応じて段階的に減額(最大50%)を行っているという。
選定事業は、東北大学「多層的ネットワークによる大学病院機能強化事業」、京都大学「研究型、高度医療型大学病院を実現する機能強化プラン」、横浜市立大学「地域医療提供体制の充実に向けた教育・研究の強化事業」、慶應義塾大学「DXで推進する大学病院のサステナビリティを高める若手医師働きがい改革」など。
申請のあった78大学のうち、選定されなかったのは東京大学のみ。選定委員会では、「今般の医学部・附属病院の複数の教員が収賄罪で逮捕・起訴された事案を踏まえて、現在大学において検討されている医学部・附属病院の組織風土の見直しなどの改革策が現状では明らかにされておらず、病院長のマネジメント体制など本事業の実施体制に疑義がある」と理由を説明している。
また、九州大学については、病院長が出張旅費の不正行為で辞任する事案が発生しており、申請内容や事案の内容などを総合的に判断して、30%の減額を行っているという。
文部科学省Webサイトでは、選定大学と事業名の一覧を公開している。










