登校拒否・不登校問題全国連絡会は2026年11月2日、文部科学省で記者会見を行い、中央教育審議会の「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」に対する意見書を公表した。審議まとめが示す新たな仕組みは、子供たちの苦しみの根源にかかわる問題を一層深刻化させる危険性があると訴えている。
同連絡会は、不登校の子供の保護者が語りあえる「親の会」の全国ネットワーク。次期学習指導要領に向けて中教審が2026年10月5日付で公表した「審議まとめ」において、不登校対策にページが大きく割かれ新たな枠組みが示されたことを受け、同会として初めてパブリックコメントを提出し、広く社会に対しても自分たちの思いを届けたいと記者会見に臨んだ。
同連絡会の分析によると、文部科学省が公表する不登校児童生徒数の推移と、およそ10年ごとに行われてきた学習指導要領の改訂時期には明確な連動性がみられるという。1989年の「新学力観」、2008年の「脱ゆとり」、2017年の「資質・能力・ICT」などへの改訂を経て、教育の中心課題は子供ひとりひとりの「人格の完成」から「人材育成」へ大きく軸がシフト。子供の側からみれば、学習課題の量や達成度の圧力は強まる一方だが、安心できる居場所としての学校や信頼できる大人の存在はどんどん希薄になっていると指摘。「『学習指導要領』は『不登校』の子供たちのことを一切考慮してこなかったが、子供たちのほうは学習指導要領によって次々と不登校に追いやられてきた」と述べた。
「審議まとめ」で打ち出された「2階建て構想」は、すべての子供を対象とする「通常の教育課程(1階部分)」と、不登校児童生徒らを対象とする「特別の教育課程(2階部分)」に分けるもの。1階部分に対しては「『多様性の包摂』をうたいながら、いま以上に子供社会を分断し差別・選別するという欺瞞に満ちたもの」と批判。「2階建て構想」は、不登校の子供たちの学習権を保障するどころか、日本中の子供たちにさらに過酷な学校生活を強いるものになるのではないかと強い懸念を示した。
また、1階部分の「調整授業時数制度」は学校や学年全体の判断に委ねられるため、少数の不登校児童生徒のために時数が調整・活用される保証がないことや、2階部分の対象が教育支援センターなどに通える一部に限られ、自宅から出られない多くの子供が対象外となっている点なども制度の欠陥として批判している。
同連絡会世話人代表の児玉洋介氏らは、不登校になった子供に必要なのは、早い段階からの評価や選択ではなく、安心して休める環境であると強調。「勉強する気をみせた子供だけ助ける」という線引きはやめ、「(不登校の)すべての子供たちに安心できる居場所と、自分の味方になってじっくり話を聴いてくれる大人を届けることこそが、国や学校の本当の責任」と訴え、国が決めた枠組みに子供をあわせるのではなく、子供たちの気持ちを中心に置いた学校づくりを求めている。








