文部科学省中央教育審議会教育課程部会の作業部会は2026年6月17日、不登校の児童生徒に個別の指導計画を作成して学びを支援する新制度について、取りまとめ骨子案を公表した。在籍学年より下学年の学び直しに取り組んだ場合なども、特例により、個々の実態や学習状況に応じて柔軟に学習評価できるようにする。
「不登校児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」は、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程について、必要に応じて編成・実施できる仕組みを検討するため、2025年10月から議論を重ねている。今回、6月17日開催の第8回会議で取りまとめ骨子案を示した。
新たな仕組みは、校内外の教育支援センターで「居場所機能のみならず、資質・能力の向上につながるような柔軟で効果的かつ組織的・計画的な指導をしやすくする観点」と「不登校児童生徒の学びに向かいたい気持ち、学びに向けて続けている頑張りといった側面を積極的に受け止め、社会的自立を後押しする観点」の大きく2点を重視しながら創設する。
特例の対象となる学校種は当面、小学校、中学校(中等教育学校前期課程を含む)、義務教育学校、特別支援学校小学部・中学部の義務教育段階。特例の運用上の成果・課題を踏まえ、将来的に必要に応じて、高等学校段階の扱いを検討する。外形的な通学や学びの状況のみで判断するのではなく、休み始めだが適切な伴走支援があれば学びに向かえる児童生徒や、心身の状態の回復期に学びに向かいつつある児童生徒を想定し、学校や教育委員会が総合的に判断するとしている。
特別の教育課程の授業時数は、制度として一律に定めず、対象児童生徒の実態を踏まえて、学校長が適切な範囲で柔軟に設定できるような仕組みとする。対象となる教育活動の内容は、「各教科等の目標・内容に基づきつつ柔軟に実施する教育活動」「不登校児童生徒の実態に応じた特に効果的な教育活動」に分類。「柔軟に実施する教育活動」として、下学年等の学び直しや、オンライン配信を利用した原籍級等への授業参加なども想定する。
個別の指導計画は、児童生徒自身が作成過程や学習目標の設定にも関与。教師や指導員などのフィードバックを受けながら学習状況を振り返り、自身の課題や成長を認識し、それを踏まえて学習を調整・改善しながら進めていくことで、学びのサイクルを実感し、学習を行うための基盤を整えていく。
特別の教育課程の編成・実施にあたっては、「2階シート(仮称)」を国として示す。教師の過度な負担・負担感を感じさせず、児童生徒をできる限り包括的に支援し、教育の質の向上につなげるため、計画などを1つの電子ファイルで一体的に運用できる様式とする。
学習評価については、下学年の学び直しなどはこれまで通常の教育課程に基づく評価を行う必要があり、観点ごとの評価や評定がつかないケースは「1」や「-」といった評定がされていたが、新制度では多様な評価方法を柔軟に運用。個人の良い点や進捗状況などに着目した個人内評価も可能にする。
高校入試における調査書の取扱いについては、これまで「1」や「-」といった評定が調査書に記載され、それが合否に影響することが児童生徒の学習意欲などを低下させる背景にあったことも踏まえ、高校入試の中で適切に勘案されることも目指すべきとしている。














