文部科学省は2026年7月30日、「第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する中間まとめ」を公表した。第5期中期目標期間(2028~2033年度)における運営費交付金の算定ルールの基本的な考え方と、おもな論点を整理したもの。今後、さらなる具体化に向けた検討が必要だとしている。
中間まとめは、「第5期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会」が取りまとめた。国立大学法人運営費交付金は、国立大学法人および大学共同利用機関法人が教育、研究、社会貢献を安定的・継続的に実施するための基盤となる財源。知の基盤を支える根幹となる仕組みだが、近年の物価上昇や人件費の増加等への対応が喫緊の課題となっている。
第5期の算定ルールについては、安定的な基盤の確保とともに、各法人の戦略的な取組みや成果を評価し、その結果を資源配分に反映させることが重要だとした。各法人には、どのような経営資源を充実させるかという経営戦略を構築し、自らがリスクを取って経営判断していくことが求められるとしている。
運営費交付金の枠組みは、教育研究の基盤を支える枠組み「第1層」と、各法人の戦略的な取組みを推進する枠組み「第2層」の2つに大別する考えを示した。第1層は物価・人件費の変動に連動させ、安定性、継続性、予見可能性を重視する。第2層は、中期目標・中期計画の達成に向けた戦略的な取組みを促すインセンティブとして機能することを期待している。
第1層では、人件費相当額、物件費相当額、特殊要因経費などを想定する。人件費相当額は必要教職員数と人件費単価、退職手当相当額をもとに、物件費相当額は必要教員数、学生数、施設面積などをもとに積算する考え。物価変動率については、消費者物価指数の活用や、教育研究活動に必要な物件費の変動を適切に反映する指標のあり方を論点にあげた。
第2層では、中期目標・中期計画に基づき、各法人が自らのミッションに即して行う戦略的な対応や、教育研究活動の成果・実績を資源配分に反映することを想定する。評価指標(KPI)の設定、第5期中期目標・中期計画の策定・評価プロセスとの連動、学長裁量経費に学長の改革構想や取組みを反映する仕組みなどが論点となる。
附属施設については、附属病院、附属学校、附置研究所および研究施設等が果たす固有の機能や役割を踏まえた調整が必要だとした。附属学校については、教育課題の解決に実験校としてより大きく貢献するため、多様な児童生徒に対応する指導モデルの開発など、新たな取組みに挑戦する附属学校への支援のあり方を検討課題にあげている。
また、第5期に向けた制度見直しの議論と並行して、第4期中期目標期間(2022~2027年度)でも、教育研究活動の基盤を支える観点から必要な予算を確実に確保することが不可欠だと指摘。物価上昇や人件費増加により基盤的経費の実質的な価値が低下している状況や、教育研究に必要な設備の老朽化への対応を喫緊の課題としている。
中間まとめの全文および概要版は、文部科学省Webサイトで確認できる。








