MM総研は2026年11月4日、「国内サイバー攻撃による情報漏えい動向調査」の結果を発表した。2026年10月末までに公表された漏えい情報件数は、漏えいの可能性を含め約3億7,600万件で、前年1年間の約7.6倍。教育・学習支援業の事案数も前年を上回り、大学や学校では教職員や学生のアカウント乗っ取り、フィッシング被害が目立った。
調査は、国内の企業・団体のWebサイトや報道で公表されたサイバー攻撃による情報漏えい事案を対象に実施。2022年1月から2026年10月末までに初報があった2,041事案を集計した。漏えいの可能性が公表された後、調査で漏えいが確認されなかった事案も含む。誤送信や紛失、内部不正などの人的要因による事案は対象外としている。
2026年10月末までの事案数は661件で、前年1年間の428件を上回り、過去5年で最多となった。業種別では情報通信業が176件ともっとも多く、製造業98件、卸売業・小売業93件が続く。教育・学習支援業は51件で、前年1年間の41件から24%増加した。
漏えい情報件数は、10月だけで約1億8,500万件にのぼった。100万件以上の大規模事案は10月末までに45件あり、うち30件が10月に公表されている。漏えい情報件数の伸びは事案数の伸びを大きく上回り、1事案あたりの規模が大型化しているという。
漏えいした情報の項目別では、メールアドレス・電話番号などの連絡先や氏名が多い。パスワードやログインIDなどの認証情報は延べ約1億6,100万件で、前年の約31倍となった。同社は、漏えいした認証情報が別のサービスでの使い回しを狙う攻撃に悪用され、不正ログインやアカウント乗っ取りを広げる要因になると指摘している。
また、情報通信業では、他社向けのクラウドサービスや委託先システムへの侵害が176件中58件を占めた。1件の侵害が、多くの利用企業や自治体の顧客情報の漏えいにつながっている。
MM総研は、認証情報が漏えいした際の速やかなパスワード変更の案内や、多要素認証の徹底、脆弱性への迅速な修正対応を求めている。被害を早期に検知・公表し、漏えいした情報の項目と利用者が取るべき対策を具体的に示す体制づくりが急務としている。
なお、漏えい情報件数は、公表資料に示された件数・人数・アカウント数の最大値を用いており、同一人物の重複を含む。項目別の延べ件数は、複数の情報項目を含む事案を各項目に計上しているため、実際の漏えい情報件数とは異なる。









