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ウェルビーイング実態調査速報、女性教員の課題の多さ示唆

 国立教育政策研究所は2026年10月29日、「教員のウェルビーイングに関する実態調査第1波の結果(中間報告)」を公表した。男性教員と比べて女性教員は、身体的ウェルビーイング、認知的ウェルビーイング、社会的・情緒的ウェルビーイングで幅広く課題が示唆された。

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 国立教育政策研究所は2026年10月29日、「教員のウェルビーイングに関する実態調査第1波の結果(中間報告)」を公表した。男性教員と比べて女性教員は、身体的ウェルビーイング、認知的ウェルビーイング、社会的・情緒的ウェルビーイングで幅広く課題が示唆された。

 プロジェクト研究「日本の子供・教師のウェルビーイングを高める学校革新に関する研究」は、2025年度から2027年度に実施。教員のウェルビーイングの測定や実態把握を行うとともに、実態が生じる要因を分析し、教員のウェルビーイングの実現を支える条件や環境の改善に資する知見を得ることを目指している。

 第1波調査は、2026年6月に実施。今回、第1波調査の結果について中間報告として速報的に公表した。調査対象は、3つの政令指定都市の公立小中学校に勤務するすべての常勤教員(学校管理職および一般教員)。同一の教員を対象に3時点で追跡するパネル調査として計画しており、第2波調査は2027年2月、第3波調査は2027年6月に実施予定。

 調査では、経済協力開発機構(OECD)の「ティーチング・コンパス」を参考に、教員のウェルビーイングを「身体的ウェルビーイング」「認知的ウェルビーイング」「社会的・情緒的ウェルビーイング」の3つの次元で捉えている。

 身体的ウェルビーイング(労働条件、ワーク・ライフ・バランス、身体的健康と安全)の分析では、小中学校ともに20代で長時間勤務の割合が高く、30代でいったん低下する傾向がみられた。40代以降は学校種による違いがあり、小学校で長時間勤務の割合が再び高まる一方、中学校ではおおむね低下する傾向にあった。性別では、女性教員のほうが私生活の時間を確保しにくく、離職を意識する傾向がみられた。

 認知的ウェルビーイング(知的エンゲージメント、当事者意識、職業的成長)については、大部分の教員が自身の状態を一定程度は肯定的に捉えていることが読み取れたものの、属性による差がみられた。小学校では知的エンゲージメント、成長実感、授業・学級経営・学校運営における自己効力感についての肯定的な回答割合が男性教員より女性教員で低く、中学校でも成長実感と自己効力感で同様の傾向があった。全体では複数の面で、男性教員より女性教員のほうが認知的ウェルビーイングの実現に課題がある傾向が示唆された。

 社会的・情緒的ウェルビーイング(自己価値とその認識、レジリエンスとセルフ・コンパッション、共感・信頼・協働)も全体として肯定的な回答が多く、特に小学校教員や小規模校で勤務する教員は複数の指標で肯定的な回答割合が高かった。一方、女性教員や30代の教員では、学校風土の面で肯定的な回答割合が低く、中学校教員でも複数の項目で相対的に低い傾向にあった。

 学校管理職と一般教員の比較では、学校風土や協調的幸福感において、学校管理職のほうが一般教員よりも肯定的に捉える傾向にあった。職名群別で比較すると、副校長・教頭は勤務時間の長さ、仕事による幸福感、時間配分の自律感などの側面で課題がみられ、業務負担は相対的に大きい可能性が示唆された。教諭はストレスや時間配分の自律感、講師は仕事満足度、養護教諭・栄養教諭は心理的安全性や居場所感などの側面で課題がみられた。

 同研究所では、この結果が実際のウェルビーイングの実現状況とどの程度対応しているのかについては、さらに多角的な検討が必要と指摘。今後、複数時点のデータを用いた分析によってさらに検討を進めるとしている。

《奥山直美》

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