中学校における部活動指導員の配置支援事業において、指導員と教員が一緒に指導や引率を行う「重複指導等」の時間が33.7%を占めることが2026年10月16日、会計検査院の検査で明らかとなった。休日は45.3%にのぼり、教員の働き方改革に対する事業効果も適切に把握できていなかった。
スポーツ庁と文化庁は、教員の負担軽減などを目的に「中学校における部活動指導員の配置支援事業」を実施。教員に代わって単独で部活動の指導や大会などの引率を担うことができる「部活動指導員」の配置を支援している。
今回の検査では、会計検査院が14都県の66事業主体が2023・2024年度に実施した同支援事業を対象に、重複指導等の実態把握や事業効果の検証が適切に行われているかなどを調べた。対象となった指導員は計2,398人、国庫補助金の交付額は計2億7,401万余円にのぼる。
検査結果によると、抽出した50事業主体の指導員474人について調べたところ、全指導時間8万7,276時間のうち、重複指導等は2万9,433時間で、割合は33.7%にのぼった。休日は45.3%で、平日15.7%の約3倍となっている。
また、66事業主体のうち31事業主体は重複指導等を行った日時を、20事業主体はその理由を把握していなかった。重複指導等を認める「やむを得ない場合」について、スポーツ庁と文化庁が具体的な基準を示していないこともあり、同じ理由であっても事業主体によって取扱いが異なっていた。実績報告書では、すべての事業主体が原則として単独で指導等を行っていると報告しており、両庁が実態を十分に把握できていなかった。
事業効果の把握・検証にも課題があった。15事業主体では、教員の在校等時間の減少などを事業の成果指標としていたが、こうした指標では、ほかの施策による影響と区別して、本事業の効果を測ることが難しかった。また、指導時間に関する成果指標を設定した38事業主体のうち18事業主体は、実際の指導時間を把握しておらず、目標の達成度を測定できていなかった。スポーツ庁と文化庁でも、事業による教員の働き方改革への効果を適切に把握・検証する体制が整っていなかったという。
こうした結果を踏まえ、会計検査院は10月16日、会計検査院法第36条に基づき、スポーツ庁長官と文化庁長官に意見表示を行った。生徒の安全確保などに留意しながら、重複指導等の実態を把握し、「やむを得ない場合」の取扱いなどについて事業主体に指導・助言することを求めた。あわせて、配置支援事業による教員の働き方改革への効果を適切に把握し、検証する方策を検討・実施するよう求めている。
検査結果の詳細は、会計検査院のWebサイトで公開されている。








