関芳弘文部科学大臣は2026年11月2日の記者会見で、東京大学の総長選考をめぐり、大学が公表した選考過程の説明には一定の進展があったとする一方、選考理由に関する説明は不十分との認識を示した。また、沖縄研修旅行の事故をめぐる同志社の会見についても、十分な説明がなされたとは考えていないと述べた。
東京大学の総長選考をめぐっては、総長選考・監察会議が10月30日、次期総長予定者の決定に至る議論の進め方や会議での投票結果などをまとめた資料を公表した。これについて関大臣は、選考過程に関する説明には一定の進展があったと受け止めた。
一方、選考理由については、なお明確な説明がなされていないと指摘。具体的には、設定した評価項目に基づいて候補者をどのように評価・比較したのか、その評価がどのような客観的事実に基づいているのか、学内の意向投票結果と異なる選考を行った理由は何か、という3点について説明が必要との考えを示した。
また、選考手続きの適正性と選考会議の判断内容のどちらを問題視しているのかとの質問に対しては、手続きと判断の双方について内外から疑問が出ていると説明。評価項目に照らし、客観的事実に基づく比較検討がどのように行われたのか、判断の合理性について十分な説明が必要との認識をあらためて示した。次期総長予定者の藤垣氏個人に対する評価については、現段階で特に考えはないとし、大学側による選考過程や判断内容の説明を求めている段階だと述べた。
同志社国際高校の沖縄研修旅行中の事故をめぐっては、同志社が、教育の中立性および適切性に関する検討委員会を設置し、記者会見を開いたことについて質問があった。関大臣は、事故から約7か月半を経て行われた法人として初めての記者会見で、一定の説明はなされたものの、「十分な説明がなされたとは考えていない」と述べた。
検討委員会については、在校生や卒業生、保護者、遺族を含む幅広い関係者から十分に聞き取りを行い、会見で示された懸念や疑問も踏まえて丁寧に検証する必要があると指摘。会見で回答しきれなかった事項も含め、遺族をはじめとする関係者に誠実に対応し、社会に対する説明責任を十分に果たすことが重要との考えを示した。
また、サイバー攻撃の脅威が深刻化していることを受け、対応人材の育成についても言及。「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」や「成長分野転換基金」を活用し、大学や高専における人材育成を進めるとともに、今後も関係省庁と連携して国内の人材育成に取り組むとした。
このほか、朝鮮学校に対する自治体の補助金について、各自治体に適正かつ透明性のある執行を求めていく考えを示した。また、11月3日に全面開館する皇居三の丸尚蔵館について、収蔵品の魅力を国内外に発信する拠点として期待を寄せた。







