関芳弘文部科学大臣は2026年10月20日の記者会見で、東京大学の監事および運営方針会議に対し、次期総長選考プロセスの検証を依頼すると発表した。どのような客観的事実に基づいて候補者を比較検討し、判断に至ったのか、その合理性について十分に説明責任を果たすよう求めた。
今回の東大総長選考をめぐっては、10月13日、学内の教職員有志が監事および総長選考・監察会議に説明を求める要望を提出。意向投票結果の取扱い、第2次候補者5名の比較検討の状況と選定経緯、国際卓越研究大学の構想やガバナンス改革に関する評価、非公開情報や個別事案など事実確認を要する事柄の取扱いについての説明を求めた。関大臣は、これらの指摘には重要な問題提起が含まれ、法人として重く受け止める必要があるとした。
総長選考・監察会議は10月16日に回答を公表したが、関大臣は、協議内容などを保秘事項としたことを理由に、外形的な選考過程の説明にとどまっていると指摘。候補者の評価や比較などの具体的な説明がなく、最終判断が無記名投票で行われたことを理由に選考理由を各委員個別の判断に帰しており、会議としてどのように主体的な選考を行ったかが十分に明らかにされていないとの認識を示した。
検証依頼は高等教育局の文書で行うとしている。関大臣は、大学の自治は重要としたうえで、国立大学法人法に定められた監事および運営方針会議の権限と責任が適切に行使されるよう促すものと説明。大学内部の監督機能を活用し、法人運営を自ら検証して改善することが重要であり、今回の選考の経緯を自律的に検証し、説明責任を果たすことは、東大のガバナンス改革の第一歩になると述べた。
また、会見同日にH3ロケット10号機による火星衛星探査機「MMX」の打上げが成功したことを報告。世界初となる火星の衛星からのサンプルリターンを目指すミッションであり、日本の宇宙科学・探査技術の発展への貢献に期待を示した。今後もH3ロケットの打上げ実績を積み重ね、信頼性の向上や価格競争力の強化に向けた開発・運用を進めるとした。
このほか、学術論文のオープンアクセス化について、科研費などの成果である論文および根拠データの即時公開や、大学・研究機関の情報基盤の充実、海外の検索基盤との連携を進める方針を説明。原子力分野の人材育成では、日本原子力人財コンソーシアムのもと、産学と連携し、教育事業の制度設計や日本原子力研究開発機構の人材育成機能の強化などに取り組む考えを示した。







