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校内無線LAN「どこでも使用できる」過去最多…高校ICT活用調査

 旺文社は2024年2月6日、全国の高等学校におけるICT活用実態調査の結果を公表した。「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」割合が47.1%と過去最多となる一方、依然として通信の品質には課題がみられた。

事例 ICT活用
校内ネットワーク環境の整備状況
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 旺文社は2024年2月6日、全国の高等学校におけるICT活用実態調査の結果を公表した。「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」割合が47.1%と過去最多となる一方、依然として通信の品質には課題がみられた。

 「全国の高等学校におけるICT活用実態調査」は、旺文社の独自リストに基づく全国の国公私立高等学校を対象に実施。8回目となる2024年度は751校の回答を集計し、ICTの教育利用に関する傾向と課題について、過去の調査データとの比較を交え分析した。調査時期は2023年12月上旬~2024年1月上旬。

 全国の高校で導入されている生徒用ICT端末は、校内の無線ネットワーク環境整備にともない、「タブレット型」(71.2%)を中心にモバイルタイプが高い支持を獲得。生徒用端末を導入した高等学校のうち「1人1台」配備の割合は84.9%に達した。

 校内のネットワーク環境については、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」の割合が47.1%にのぼり、調査開始以降、初めて最多となった。しかし、端末活用上の課題には依然として4割超が「ネットワーク環境の整備」(44.5%)をあげており、「一斉利用に耐えられない」など通信品質には課題が残る。

 ICT利用における課題には、「教員の活用スキル」(83.8%)や「生徒の情報モラル」(67.6%)といった、利用者側の適性や能力をあげる回答が上位を占めた。これらの課題を解決するためには、人的な充足に加え、利用者が“ゆとり”をもってICTの効果的活用に臨めるような環境や組織づくりが求められる。

 ICT活用の必要性を探る調査では、今年度から選択肢に加えられた「情報・探求などの授業」(64.6%)が高い割合となる一方で、コロナ禍で需要の大きかった「オンライン遠隔授業」(43.3%)は前年から大きく減少した。また、「校務でAIツールを活用している」や「授業で生成AIについてのトピックを扱った」など、教育現場でも先端技術を取り入れる新しい動きもみられた。

 今後、旺文社では調査結果を踏まえ、従来の校務負担を軽減しつつ、先生が利用効果を実感できるサービスの充実を図るとともに、さまざまなICT活用の実践例を共有するセミナーを開催するなど、教育の場をサポートする取組みを進めていくとしている。

《川端珠紀》

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