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GIGA端末の利活用、教育の質の向上・教師の働き方改革に寄与

 GIGAスクール構想により配備された1人1台端末の授業での利活用の頻度が多い学校の校長ほど、教師の働き方改革に積極的な変化を感じていることが文部科学省の調査結果から明らかとなった。

教育行政 文部科学省
教師の働き方改革への寄与
  • 教師の働き方改革への寄与
  • 教師間での教材やワークシートの共有
  • 授業展開の効率化
  • 採点にかかる時間の減少
  • 授業準備時間や負担の減少
  • セキュリティ面で閲覧できないサイトが多い
  • 1人1台端末でアクセス可能なウェブサイトの割合
  • 1人1台端末での児童生徒のチャットや電子メールの使用状況

 GIGAスクール構想により配備された1人1台端末の授業での利活用の頻度が多い学校の校長ほど、教師の働き方改革に積極的な変化を感じていることが文部科学省の調査結果から明らかとなった。

 「端末の利活用状況等の調査」は2022年8月時点の公立小・中学校等における1人1台端末の整備および管理運営、持ち帰り、学校での利活用状況等について、文部科学省が調査。3月30日付けで結果を取りまとめ、各都道府県の教育委員会へ通知している。

 端末の利活用頻度別で「教師間での教材やワークシートの共有」「授業展開の効率化」「採点にかかる時間の減少」「授業準備時間や負担の減少」について調査したところ、小中学校いずれも授業での利活用頻度が多いほど、「とてもそう思う」「そう思う」とした回答が多く、教師の働き方改革に寄与していることが明らかとなった。

 このうち、「教師間での教材やワークシートの共有」で「とてもそう思う」と回答した割合は、小学校は「ほぼ毎日・ほぼ毎時間」44.2%、「ほぼ毎日」28.6%、「週3回以上」18.5%、「週1回以上」13.5%、「月1回以上」13.5%。中学校は「ほぼ毎日・ほぼ毎時間」36.7%、「ほぼ毎日」21.0%、「週3回以上」15.0%、「週1回以上」13.5%、「月1回以上」8.1%。

 小学校における「現地点での積極的な変化」は「とてもそう思う」24.7%から「今後の更なる変化への期待」では62.7%に増加。中学校では18.6%から54.8%まで大幅に増加した。

 一方、「採点にかかる時間の減少」で「とてもそう思う」と回答した割合は、小学校は「ほぼ毎日・ほぼ毎時間」12.0%、「ほぼ毎日」5.9%、「週3回以上」3.2%、「週1回以上」2.6%、「月1回以上」2.6%。中学校は「ほぼ毎日・ほぼ毎時間」12.7%、「ほぼ毎日」6.8%、「週3回以上」4.9%、「週1回以上」3.4%、「月1回以上」2.4%。

 小学校における「現地点での積極的な変化」は「とてもそう思う」5.1%から「今後の更なる変化への期待」では37.0%に増加。中学校でも同様に6.1%から35.7%まで期待値が増加した。

 続いて、1,812自治体を対象に、1人1台端末のアクセス可能なWebサイトの割合を調査したところ、「NHK for School」95.8%が最多となった。また「キーボード入力練習サイト」91.2%、「Scratch」90.0%も比較的多くアクセスできる一方、「YouTube」66.6%と「YouTube Kids」65.0%はアクセスできる自治体が限られていることがわかった。セキュリティ面で閲覧できないWebサイトは、小中学校共に授業での利活用頻度に関わらず3割前後だった(「とてもそう思う」「そう思う」の合算)。

 1人1台端末での児童生徒のチャットや電子メールの使用状況は、「クラス内の他の児童生徒とのチャット」39.8%がもっとも多く、「クラス外の校内の他の児童生徒とのチャット」27.0%、「クラス内の他の児童生徒との電子メールのやり取り」24.7%が続いた。

 学校や教職員からフィルタリングに関する要望があったときに柔軟に反映する仕組みや体制を整えている自治体の割合は88.3%。教育情報セキュリティポリシーの策定は49.6%が行っており、このうち2022年3月改訂のガイドラインの内容を踏まえたポリシーに対応しているのは25.1%と約4分の1にとどまった。半数を超える56.2%が「今後見直し予定」としており、このうち2023年度中に52.3%、2024年度中に37.5%の自治体が対応する予定としている。セキュリティ対策として導入しているWebフィルタは、75.8%が学校外の使用でも機能するフィルタを導入していた。

《川端珠紀》

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