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小5の年間総授業時数、標準超えの平均1,078単位時間

 文部科学省は2023年4月20日、2022年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果を公表した。最大で何単位時間の授業が実施可能かを調べた小5の年間総授業時数は、標準授業時数を63.3単位時間を上回る平均1,078.3単位時間(標準1,015)となった。

教育行政 文部科学省
小学5年生の年間総授業時数
  • 小学5年生の年間総授業時数
  • 中学2年生の年間総授業時数
  • 個に応じた指導の実施状況
  • プログラミングに関する学習指導の時数
  • プログラミングに関する学習指導を行っている教科等
  • 調査項目

 文部科学省は2023年4月20日、2022年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果を公表した。最大で何単位時間の授業が実施可能かを調べた小5の年間総授業時数は、2022年度計画で標準授業時数を63.3単位時間を上回る平均1,078.3単位時間(標準1,015)となった。

 調査対象は、全国の公立小学校と義務教育学校前期課程(以下、小学校等)、中学校、義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程(以下、中学校等)から無作為に抽出。前回(平成30年度)までの悉皆調査での方法をあらため、小学校等1,235校、中学校等1,243校を対象に実施された。調査期間は2022年12月12日~2023年1月16日。

 最大で何単位時間の授業を実施可能かを調べた「年間総授業時数」の2021年度実績は、小学5年生で平均1,059.9単位時間(1単位時間45分)。2022年度は、標準授業時数を63.3単位時間上回る平均1078.3単位時間を計画。2022年度計画の全小学校等に占める割合は「1,051~1,085」28.8%がもっとも多く、「1,016~1,050」19.3%、「1,086~1,120」15.9%、「0~1,015」14.8%と続いた。

 一方、中学2年生は2021年度実績が平均1,058.5単位時間(1単位時間50分)。2022年度は標準授業時数を58.9単位時間上回る1,073.9単位時間を計画。2022年度計画の全中学校等に占める割合は、「1,051~1,085」27.0%、「1,086~1,120」21.2%、「0~1,015」19.1%、「1016~1,050」17.8%の順となった。

 2022年度における学校教育法施行規則に定める標準授業時数は、小学校5年生、中学2年生共に1,015単位時間と定められており、いずれも大幅に上回る授業時数を計画していることが明らかとなった。なお、年間総授業時数には、標準授業時数を超えて確保している「余剰時数」も含む。

 個に応じた指導の類型別実施状況(2022年度計画)は、「小学校等」84.9%、「中学校等」77.3%。このうち、「補充的な学習」は小・中いずれも9割以上が計画しているが、「発展的な学習」や「児童・生徒の興味・関心等に応じた課題学習」は、小・中いずれも4割~5割程度の計画にとどまった。

 プログラミングに関する学習指導を行っている教科については、小学5年生は「算数」75.8%が最多で、ついで「総合」41.5%、「理科」24.7%。一方、小学6年生は「理科」74.2%がもっとも多く、「算数」53.6%、「総合」41.0%と続いた。プログラミング学習指導の時数は、小学5年生で平均5.8時間、小学6年生で平均6.7時間だった。

 このほか、「総合的な学習の時間の実施状況」「教職員以外の人材の活用状況」「学期の区分の状況」「土曜授業の実施状況」「障害のある児童・生徒等と障害のない児童・生徒の交流および共同学習の実施状況」等の調査結果を掲載。小学校では、プログラミングに関する学習指導と教科等の担任制の実施状況についても調査している。

 調査結果の詳細は、文部科学省Webサイトで閲覧できる。

《川端珠紀》

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