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保護者からの過剰な苦情・不当要求「学校以外が担う」文科省が改訂案

 文部科学省は2025年8月19日、教師を取り巻く環境整備特別部会(第2回)を開催。教師を取り巻く環境整備についての議論の中で、「学校・教師が担う業務に係る3分類」の改訂案を示し、保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等への対応については「学校以外が担うべき業務」と位置付けた。

教育行政 文部科学省
「学校と教師の業務の3分類」の指針への位置付け(案)
  • 「学校と教師の業務の3分類」の指針への位置付け(案)

 文部科学省は2025年8月19日、教師を取り巻く環境整備特別部会(第2回)を開催。教師を取り巻く環境整備についての議論の中で、「学校・教師が担う業務に係る3分類」の改訂案を示し、保護者等からの過剰な苦情や不当な要求等への対応については「学校以外が担うべき業務」と位置付けた。

 今回の部会では、議題の1つとして、教師が本来担うべき業務に専念できるよう、「学校・教師が担う業務に係る3分類」の改訂案について議論が行われた。改訂案では、学校と教師の業務を「学校以外が担うべき業務」「教員以外が積極的に参画すべき業務」「教員の業務だが負担軽減を促進すべき業務」の3分類に明確化し、それぞれの内容を更新した。

 「学校以外が担うべき業務」には、登下校時の通学路における日常的な見守り活動や、学校徴収金の徴収・管理等に加え、保護者等からの過剰な苦情や不当な要求など学校では対応が困難な事案への対応をあげた。また、勤務時間前・下校時刻後の預かり活動を行う必要がある場合は、学校以外の管理体制を構築するべきとの見解も示した。

 「教員以外が積極的に参画すべき業務」には、学校の広報資料・Webサイトの作成やICT機器・設備の保守、プールや体育館の管理などを追加。Webサイトの作成やICT機器・設備の保守については、事務職員らを中心に行い、外部委託も積極的に検討すべきとした。

 「教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務」としては、給食時間の対応や、教材印刷などの授業準備、学習評価や成績処理、学校行事の準備・運営、進路指導の準備などが代表例としてあげられた。また、支援が必要な児童生徒・家庭への対応についても、専門スタッフとの協働を促進し、教師の負担を軽減すべき事案とした。

 教師を取り巻く環境整備特別部会(第2回)の配布資料は文部科学省Webサイトにて公開。議事録も後日掲載される予定。

《畑山望》

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